COLUMN
コラム:転職の技術
第735章
2016/02/12

転職サバイバル

— 転職市場というサバンナを戦い抜け —

企業ブランドの崩壊

東芝が過去最大の赤字、日本マクドナルドが過去最大の赤字、シャープが台湾鴻海傘下で再建の可能性…かつて栄光を手にした層々たる企業が業績不振に陥っている昨今、それに伴った大規模リストラも動き出し始めています。トヨタ自動車のように過去最高益を生み出している企業もありますが、多くの暗いニュースが飛び交っているこの時代を生き残るにはどうすれば良いのでしょうか。

大手企業だから定年までは安泰だ、ブランド力のある企業だからいつまでも安定して働くことができるという時代は崩壊しつつあります。自分には関係ないことだとは言っていられなくなってきました。リストラの波にいつ自分が飲まれるか、覚悟をしなければいけない時代に突入したかもしれません。

そこで考えて頂きたいのは、もし明日急に肩を叩かれるような事態になり、外の世界に放り出されてしまった時、生き残る自信はあるかということです。「俺は大企業で働いて来たんだからどこへだって転職できるだろう」「うちの会社の肩書があれば雇ってくれるだろう」という考えを持っている方が意外と多いのですが、結論としては企業ブランドだけで採用するところは無いと断言できます。

ただ、これはそう思ってしまうのも仕方ない一面もあると思います。有名企業で働かれている方は、基本的に新卒からの一社経験の方が多く、外の世界を見る機会が無かったため、市場価値を把握しづらいからです。私自身もそうでした。新卒で日立製作所に入社し、世界最先端の技術に触れられる案件にいたので、「俺は凄い仕事をしているな」と意気込んで転職活動に臨んだところ、市場価値が意外と低いことに当時は驚きました。

もちろんこれは大手企業に限った事ではありません、二次請け企業であっても、Web系企業であっても、いつ外に出されるか分かりません。今持っている武器(職務経歴)で転職市場というサバンナを戦いぬけるか常々考えておく必要がありそうです。ライオンのような鋭い牙と爪を持っているのか、キリンやゾウのように特定の領域に対しては負けないものをもっているのか、ナマケモノのように動かずにいるのか、ハイエナのように他者に任せっきりになるのか、はたまたシマウマのようにライオンに食われてしまうのか・・・

安定感とは何を意味するのか

そもそも企業の安定感とは何でしょうか。社員数が1万人以上の企業でしょうか、業績が右肩上がりの企業でしょうか、斬新なサービスを打ち出している企業でしょうか、離職率が低い企業でしょうか。どれも一般的に安定感のある企業だと言われていますし、間違った解釈ではないと思います。

ただし、それだけに飛びついて定年まで働くぞという転職活動は危険です。超大手企業はいつ東芝やシャープのようになるか分かりません。一発大きなものを当てた企業が継続して斬新なサービスを生み出せるかも分かりません。従って、とにかく安定した企業に行きたいという理由だけで企業を選ぶのは私としてはあまり推奨しません。

来たる時のために…

動物園のライオンが、何らかの理由でサバンナへ放たれた時、生き残ることはかなり厳しいはずです。獲物を狩る訓練をして来なかったため、飢え死にしてしまうかもしれません。しかしながら、(仮にライオンに考える力があったならば、)サバンナへ放たれることが前もって分かっていれば、サバンナとはどんな場所なのかを知り、どんな獲物がいて、どう工夫すれば獲物を狩ることができるのか訓練することで、生き抜くことができるかもしれません。

転職活動も似たようなことが言えるのではないかと思います。自社内では価値ある仕事を任されている場合であっても、転職市場ではどのような技術経験をしている人の価値が高いのかを知り、自身の今置かれている環境とのギャップを見定め、必要であれば積極的に動いて足りない技術を身につける必要があります。例えば、ネットワーク案件はクラウド案件へと置き換わり始めているので、市場価値を高めるにはAWSやAzureなどのクラウド環境構築のスキルを身につけるのもひとつです。自社内で身につけるには限界がある場合、転職をすることで実現するのもひとつでしょう。

今置かれている環境にあぐらをかくのではなく、外の世界に出ても誇れる武器を、来たる時のために身につけておくべきです。

<LAZ>

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