COLUMN
コラム:転職の技術
第722章
2015/11/06

局地戦を戦い抜け

— 目標に縛られ過ぎないキャリア —

長期的なキャリア形成

転職を考えるにあたって、よく言われる言葉に、「キャリアは長期的な視点で考えよ」という格言があります。目先の憧れや知名度などを優先せず、本当に自分がやりたい事/やるべき事に向かってキャリアを検討すべしという意味です。私自身もその通りだと思っており、よく「死ぬ間際にも後悔しない、自分の子供たちにも胸を張って誇れる転職をしましょう」と候補者へ伝えています。

ただ、長期的な目線も持ちつつ、一方では目の前の仕事にガムシャラに取り組む姿勢も忘れてはなりません。目先の目標に拘り過ぎず、云わば「局地戦でしっかり戦うこと」も、同じぐらい大事だと個人的に思っています。

目標に縛られてはならない

まだキャリアが浅い方や、自分の強みを見いだせていない方は、キャリア形成に悩まれる事もあると思います。その意味で「長期的な目標を設定する事」は大事です。ただそれに縛られ過ぎるのも、時としてリスクになりえます。

世界のビジネス書/自己啓発書の中でも「人生の目標は立てるな」と明確にうたっている本があります。デイル・ドーテンという人が書いた『仕事は楽しいかね?』という本がその一つで、人生の目標に縛られると変化に対応出来ない、変化を楽しめない、思わぬ失敗からヒントを得られないといった考えが述べられています。目標を持たなくても、常に新しい挑戦をし続けようという姿勢さえあれば、自ずと高いステージに進むことが出来るとうたっています。

実際に大企業においても、思わぬ失敗や枝葉のアイデアが大きな事業へ成長を遂げた例が多くあり、それらは「明確な目標」より「研究心と向上意欲」によって生み出されたと言われています。

局地戦を戦い、来る日の「縁」に備えよ

数年前に、スマホアプリがこれだけエンタープライズでも活用され、インフラ技術がクラウドに置き換わる時代を想像出来たでしょうか。アップルが起こしたイノベーション、ネットワークインフラの設備増強、セキュリティ強化やITリテラシーの向上など、あらゆる偶然が重なって2015年の今があります。

目の前の仕事、PJで最大の成果を出し続けることが、あなたのスキル・経験・価値観を増やし、新しい出会いやチャレンジの機会を増やしてくれるのも事実です。キャリアの中で良い「縁」を逃さぬよう、日々の局地戦を戦い抜く事をお勧めします。

筆者 鈴木 裕行
コンサルタント実績
  • 紹介求人満足度 個人の部 第2位
    出典元
    株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT
    対象期間
    2014年4月1日〜2014年9月30日
    調査名称
    第12回転職エージェントランキング
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