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コラム:転職の技術

第693章

30代中盤以降で転職を成功させるための思考習慣

— 「かきがら」を取り除き素人になることが成功の秘訣 —

2015年3月27日

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智恵と同じだけの「かきがら」が頭につく

『たとえば軍艦というものはいちど遠洋航海に出て帰ってくると、船底に「かきがら」がいっぱいくっついて船あしがうんとおちる。人間も同じで、経験は必要じゃが、経験によってふえる智恵とおなじ分量だけの「かきがら」が頭につく。』

『もう海軍とはこう、艦隊とはこう、作戦とはこう、という固定概念(かきがら)がついている。おそろしいのは固定概念そのものではなく、固定概念がついていることも知らず平気で司令室や艦長室のやわらかいイスにどっかと座り込んでいることじゃ。』

(司馬遼太郎著 坂の上の雲 第二巻より一部抜粋)

このあと、実際にこの懸念が現実となってしまいます。戦略というものはこうだ、組織はこうあるべきだ、俺は専門家だから、という固定概念が原因となって様々な問題を引き起こします。

これは小説の中の話ではありますが、私たちにも無関係な話ではないと思います。特に、社会人経験を長く積んで、自分なりのやり方が確立したという人こそ注意しなければならないことだと考えています。

「かきがら」の影響は30代半ばから出始める

転職活動を開始し、求人票を見て最初に目に留まるもののひとつに年齢があります。求人票に記載されている上限年齢の約8割から9割が35歳までとなっています。その理由は諸説様々ですが、よく言われるのは、日本では30代後半から40歳前後にかけて課長(マネージャー)になるのが標準であるため、転職者にはその一歩手前で入社し、3〜5年後に課長になって貰いたい、だから35歳くらいが上限、という話です。

しかし、実際に企業の人事担当の方に年齢のことをお聞きすると、どちらかというと役職云々の話よりは、経験的に35歳を超えた方を採用しても、新しい環境に馴染めず短期退職に繋がるケースが多いので敬遠してしまいます、というコメントを頂く方が多かったりします。

失敗例を詳しく伺いますと、『こういう仕事はこうやるべきだ』『業務はこう進めるべきだ』と、過去の成功パターンを無理に当てはめようとしてうまくいかなかったり、『組織とはこうあるべきだ』『この役職がやるべきことはこうだ(≒俺はそんな仕事はしない)』と、過去の組織や制度を正として不満を持ったりして、短期で退職してしまうケースが年齢が上がるほど増える傾向にあり、それが35歳を超えると極端に増えてくるとのことでした。

これこそ、智恵がついたと同時に「かきがら」もついてしまい、身動きが取り辛くなっている典型的な例と言えます。

智恵と「かきがら」は見分けづらい

前述の様にならないためには、智恵と「かきがら」を見分ける必要があると思いますが、残念ながら、その見分けはつけづらいと思っています。経験から学んだことを次に生かすことが成長であり智恵をつけることになるのですが、反面、次に生かすという行為そのものが、思考の自由度を縛り、別の解決策を思いつかなくしてしまう「かきがら」にもなり得るからです。

では、経験豊富な人ほど企業から嫌われるのかといえば、無論そうではありません。企業は即戦力が欲しい、即ち、経験豊富な人が欲しいと思っていますし、実際、日々発生する多種多様な問題に適切に対処するためには、どうしたら上手く行くのか、どういうことをしたら失敗してしまうかという過去の経験が参考になるわけで、経験がない方よりあった方のほうが良いに決まっています。

では、どうすれば智恵だけ残して「かきがら」の影響を最小限に抑えることが出来るのでしょうか。

素人になり謙虚に事に当たることが智恵を生かす最良の方法

冒頭の話には続きがあり、同じ人物が以下の話をします。

『あしの玄人の目でアメリカ海軍をみると、やることなすことがじつに素人くさい。しかし、おそろしさはその素人ということじゃ。』

当時、アメリカはまだ海軍後進国だったのですが、当時の常識を覆す様々な施策を実施し、ついには玄人であるスペイン海軍をカリブ海にて破ります。スペインは過去の経験が「かきがら」として足かせとなり、一方のアメリカはスペインほか海軍先進国の智恵を吸収しつつ、素人の発想で自由に対策を練り、勝利を得ました。

つまり、過去の成功経験は対処方法の一例としてストックしておきつつ、対処方法を素人になったつもりで謙虚に考え事に当たることが、智恵を生かし、「かきがら」の影響を最小限に抑えられる方法と言えます。

転職で柔軟性を感じて貰える様になるために

30代中盤にもなると、実績も豊富に積み、社内外でも評価され、自分に自信を持たれる方が多いと思います。しかし同時に、知らず知らずのうちに「かきがら」がたくさんついている可能性が高いため、玄人になってきたなと自覚する時こそ、固定概念に縛られずに事に当たれているだろうか、こうすれば上手くいくだろうけど他に方法はないのか、自分はこの役割だが他に出来ることはないだろうか、と自問自答することが大事だと思います。

30代半ばを超えると、年々転職先の選択肢が狭まってしまうのは事実ですが、企業側に柔軟性の高さを感じて貰うことが出来れば、年齢による不利は緩和され、むしろ頼もしい人材と見て貰えます。ただ、その柔軟性が面接の場でも滲み出る様になるためには一朝一夕では難しいことから、普段から、よく知っている様なことであっても、常に素人のつもりで事に当たって頂きたいと思います。

<田中 祐介>

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