COLUMN
コラム:転職の技術
第163章
2004/06/28

見えないガラスの天井

見えないガラスの天井(グラスシーリング)とは「ある条件のために突破できない、目に見えないバリアー」のことです。(アメリカでは主に女性に対する社会的な壁、例えば上級職への昇進の壁などをこのように呼んでいますが、ここではもっと広い範囲で捕らえてみたいと思います。)

IT業界の中でも、目に見えないガラスの天井が存在します。それは企業の立場によるガラスの天井と、個人の立場によるガラスの天井があります。

企業の立場によるガラスの天井とは、例えばある企業のシステム開発で3次請けの立場で受けている会社では、上流工程やユーザとの直接の折衝はほとんどできない、または極めて機会は少ないということでしょう。常に3次請け的な業務の受託を行っている会社では、上流工程や顧客との折衝ができないことが壁として大きく存在します。これはその企業に属していることによるガラスの天井であり、個人の資質には関係ありません。

また、個人の対場によるガラスの天井とは、正社員に対し派遣社員という立場によって存在します。例えば、ある有力企業で派遣社員として働きながらも、その会社からは高い評価を受け社員とおなじように仕事をしています。しかし、非常に重要な判断になると、その方には判断・決定権はなく関与させて頂けません。これも最終的には個人の能力ではなく派遣によるガラスの天井と言えるでしょう。

最近、流通業界では、このような壁がなくなり、パートで勤務していた方が店長になるなど話題になることがあります。しかし、このような見えないガラスの天井が無くなることは当面考えられません。大事なことはこのような事もしっかりと認識・理解して、自分のキャリアプランを立てることでしょう。

<コンサルタント TI>

注目のキーワード: