COLUMN
コラム:転職の技術
第118章
2003/08/04

退職って難しい?

やっと関東地方の梅雨明けも間近になりました。いよいよ夏本番ですね。体は7月の涼しさに慣れています。急に暑くなるので体調管理には気をつけて下さい。

さて、最近の転職相談室への質問で一番多いのは、退職に関するトラブルです。せっかく転職先が決まっても、現職の会社を円満退職できそうにないのでどうしたらよいか?というご質問が多数あります。

なぜ退職できないか?は個々のケースで様々ですが、その悩みを抱えている方に共通して感じることがあります。それは、「自分の意思」が見えないということです。会社側の都合に振り回されて自分を見失ってしまい、「辞めさせてくれない」迷路にはまっている状態。

まず、踏まえておきたいことは、
労働基準法で、労働者には退社の意思表示から2週間後に退職する権利があります。会社側は、労働者の退社申し出を受理する義務があります。つまりは、労働者は自由意志で退社でき、会社はそれを拒否できないということ。

当たり前のことのようですが、退社できない迷路にはまる方は、「退社=いけないこと」と思っていて、この原則を忘れているようです。この原則を踏まえた上で、社会通念上は、双方納得のもとに円満退職に向けて調整する、これが退社のセオリーです。また、重要なことは、「双方が」努力するということ。円満退職には、会社側の譲歩する姿勢も不可欠なのです。しかし、トラブルになる場合には、往々にして会社側の理不尽な引き留め工作がありことも多く、労働者側の努力だけでは解決できない場合もあります。度を越す引き留めや、嫌がらせがある場合には、公的機関へ相談することも考慮に入れたほうが良いでしょう。

会社との交渉では、譲歩すべきは譲歩し、周りへの迷惑を最小限にしたいと明言した上で、自らの退社する意思は貫き通すことが大事です。退社交渉も、ビジネススキルの「交渉力」のひとつ。悩み込むのではなく、絶好のスキルアップの場だと思って、前向きに取り組んでやろうじゃないか!と思えるとよいですね。

<まりりん>

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