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コラム:IT業界転職の技術
第1041章

コロナ禍の今、フリーランスになるべきか?「行きはよいよい帰りは恐い」(前編)

2021年9月17日

「フリーランスになりたい」
「フリーランスってどうなんですか?」
新型コロナウイルスの影響でエージェントとの面談もリモートで実施するようになってから、面談時にフリーランスについての質問を頂く機会が倍増したと体感しています。

理由を伺ってみると、

  • コロナ禍以前ではやりたくても中々難しかったリモートワークがいつの間にか主になったことをきっかけに、様々な働き方を模索し始めた(面談もリモートでやりやすくなったのでプロのエージェントの意見を聞いてみたかった)
  • そして調べてみると広告などでもフリーランスの魅力を謳うものが増大していること
  • さらに特にエンジニアの場合にはTwitterなどで「フリーランスになって年収1000万になった!」といった成功者の声を見聞きすることが多く、その自由さや年収の高さなどを正直羨ましいと思い聞いてみた

といった理由が多い印象です。

個人的には、フリーランスになってから成功した方も知っていますし、私もエンジニア時代にはフリーランスの方にプロジェクトでお世話になりつつ、打ち上げの場などでその内情も伺い「羨ましい!」と感じたことも数多くありました。

ただエージェントになり「フリーランスから正社員に戻りたい」といった「脱フリーランス相談」も同時に多々受けてきたことから、フリーランスの「明」の部分だけでなく「暗」の部分も同時にたくさん見てきました。

そのため冒頭の質問を受けると私はフリーランスの内情を説明するとともに、キャリアとして「フリーランスを目指すなら起業も考えてみては?それが無理なら今よりもっと上の企業を目指すことも考えてみては?」とアドバイスをしています。

その理由を今回は前編後編に分けて追っていきたいと思います。

1. フリーランスのメリット・デメリットを振り返る

この辺りは軽く調べるだけでも多々記事が出てくることから大まかな記載にとどめますが、まずフリーランスのメリット、「明」の部分に関して一例を挙げます。

  1. 働き方の自由さ(上下関係や人間関係などしがらみからの解放など)
  2. 収入アップ
  3. 仕事を自由に選べる

フリーランスを目指される方であればこの辺りに魅かれているのではないでしょうか。
ただ明の部分があれば当然暗の部分も存在します。
まずa.に関して、実際はプロジェクトを進める上で顧客から信頼を勝ち得なければ案件を切られてしまうかもしれませんし(選ぶ実力があればそこも気にしないで良いのでしょうが)、b.に関しては確かに表上の収入は増えるかもしれませんが福利厚生がなく収入が守られない上に、税金等対応を自分でする必要があります。c.に関しても自ら営業しなければならないため、むしろエンジニアであってもこの営業に時間を取られてしまうかもしれません。

と、この辺りまではフリーランスを考えている方の場合にはご存じの場合も多いですが、次にフリーランスとはどういうものか、内情をもっと具体的に深堀していきます。

2. フリーランスの内情

まずa.の「働き方の自由さ」についてです。
実際フリーランスの働き方はどうなっているかを考えてみましょう。
一概には言えませんが、エンジニアがフリーランスになった場合、働き方としては「SESと同様の場合が多い」です。そもそもフリーランスとして案件を獲得するには、個人のリレーションから案件を得るか、フリーランスを紹介してくれる企業やエージェントから案件をもらうことになります。

例を挙げて説明します。
あなたはフリーランスになりたてのJavaエンジニアです。
案件としてA社という企業の大規模Webサイト構築案件を紹介され、ここにJavaエンジニアとして入ることを想定してください。
体制として、A社は案件のPMをプライムSIerのB社に依頼し、B社の下にそれぞれの機能ごとにC社、D社、E社…が担当という構成をしています。
このどこにフリーランスとして入るかというと、いきなりB社の立場で入れることはまずありえません。
この体制の中で、例えば「サーバーサイド側を任されているD社の一員として」フリーランスとして入る、といったことが普通です。

…お気づきでしょうか。これって、いわゆる「3次請け」と同様ではないでしょうか。
B社:プライム
D社:2次請け
あなた:3次請け
です。

表向きはD社の名刺を持ち顧客に入り込む場合などもあるでしょうし、この案件で長く活躍すればそれこそD社側立場として案件をリードする立場になることもあり得ます。
私も10年選手のフリーランスの方と一緒に働いたことがありますし、「その機能についてはあの人が一番詳しい」と周囲にも認められていながら「え、あの人フリーランスなの?!」と思ったこともあります。

ただ、フリーランスになりたてかつ初プロジェクトであれば、通常はこの立場になることを想定しなければなりません。働き方は確かに自由かもしれませんが、立場としては「3次請けと同じ」かもしれないということです。

次にb.「収入アップ」についてです。
「フリーランスで年収1000万円!」それこそTwitterや広告などでよく見る文言です。ではこの内情はどうなっているのでしょうか。
1000万の年収、つまり月換算で言うと83.3万円の収入になります。案件単価として経費なども差し引かれる部分はあるでしょうから、分かりやすさのために「月100万の単価」で案件に入ったとしましょう(※ちなみに上述例のような案件でいきなりこの単価は実現できないため、フリーランスとして既にそれなりに経験を積まれている方を想定しています)。

年収としては確かに1000万超、正社員エンジニアの数%しか実現できない年収をもらっているということで確かに夢があります。
ただし、冷静に考えなければいけない点として「業界一般の工数単価」としてはどうでしょうか。月100万単価の案件は、コンサルティングファームならいわゆる入社直後から第二新卒レベルのアナリストの単価と同等と言えます。プライムSIerであっても、プロパー社員であればもっと高い工数単価で動いています。つまり「1000万の年収であっても市場としてはそのレベルの仕事をしている」可能性があるということは理解しなければいけません。
ちなみに「フリーランスから正社員に戻ろうとすると年収が3割下がる」と言われる理由の大きなポイントはここにあります(もちろん保険料など会社が払うか自身が払うかなどもの差もありますが)。

最後にc.「仕事を自由に選べる」についてです。
上述の例で言えば、今あなたは「Javaエンジニア」としてフリーランスで雇われています。
Javaの技術力に関しては自信もあり、企業からも認められているからこそフリーランスとして活躍できているのでしょうし、Javaエンジニアとしてであれば他の企業の案件も「自由に選べる」ところはあるでしょう。

では一方で「Ruby案件もやりたい」「GoやKotlinなどもやりたい」と思われた場合にも「自由に選べる」でしょうか。
答えは確実にNoです。
企業がフリーランスに案件を頼むのは「出来るから」であり、今出来ない言語や技術をわざわざそのフリーランスには頼みません。「既にRubyが出来る、Go、Kotlinが出来る」フリーランスに任せるはずです。もしくは「既存正社員を育てる」はずです(企業としてもわざわざフリーランスを育てはしません)。
上述例の案件に10年入りJavaエンジニアとしてはA社やD社から絶大な信頼を得たとしても、その後Ruby案件をA社やD社からもらえるか、他の企業のRuby案件に入れるかというと「難しい」ということです。

ここまでフリーランスの実情を追ってきましたが、今フリーランスの方からすると正直面白くない内容になっていると思っています。ただ、これは「企業側はそう思っている」という事実であり、これまでフリーランスの方々を企業に紹介した時に「この辺りを理解されていますか?」と紹介時に我々ないし面接で実際に候補者様が聞かれたことにもなるため説明させて頂きました。

長くなりましたので今回はここまでにします。次回はフリーランスのその後のキャリアなどを追っていきたいと思います。(後編に続く)

筆者 高田 祥
著書
  • 「キャリア設計論 エンジニアの本音、エージェントが語る転職の真実」
コンサルタント実績
資格
  • 情報処理安全確保支援士(第019946号)
  • 上級個人情報保護士/個人情報保護士
  • 個人情報保護監査人
  • Security+
  • 情報セキュリティ管理士
  • 第一級陸上無線技術士

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