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コラム:IT業界転職の技術
第1039章

キャプテンシーを発揮できるDX人材を目指して(後編)

2021年9月3日

前回のコラムでは、過去にご支援をした方とのやりとりで出てきた「DX人材とは、(ITを駆使でき、かつ)自らフィールドに出てキャプテンシーを発揮できるハンズオン型の人材」という話をきっかけにして、DXとはなにか、それを実現するDX人材とはどういう人なのか、というお話しをさせて頂きました。今回はその続きで、DX人材になるためには、というお話しをさせて頂きます。

DX人材になるためには

残念ながら、誰もがミスミのDXを実現した三枝氏みたいになれるわけではありません。三枝氏のような明晰な頭脳と強力な変革力は天賦の才と言えるでしょう。

ただ、ITを最大限に活用し、当事者になって現場に入り込み、ハンズオンで変革を成し遂げる人材になることは可能です。日本でNo.1と言えるような天賦の才はなくとも、現場を動かしていく人材、すなわち、キャプテンシーを発揮できる人材になることができれば、DX人材に一歩近付づくことができます。

もちろん、他にもDX人材になるために必要とされる要素はたくさんあります。

企業変革をするためには企業活動全体を知っておく必要がありますので、製造、販売、物流、会計といった基幹業務は最低限知っておかなければなりません。また、営業やマーケティングといった販促活動や、採用、人材育成といった人事関連も知っておく必要があります。真のDX人材は、これらを全てマスターし、IT知見も豊富で、かつ変革を実現できる人材であると言えるでしょう。

しかし、それらを全てできるスーパーな人は世の中にそれほど多くはいません。また、それぞれの領域にはそれぞれに精通している人が沢山いますので、その人たちの力を借りればよいでしょう。

そう考えると、DX人材に求められることは、自らはITの専門家でありつつ、様々な分野の専門家と協業できるコミュニケーションスキルを持ち、現場の抵抗勢力と戦いつつも最終的には調和をし、変革を強力に推進できることであると私は考えます。

そうなるためには、別に三枝氏のように戦略コンサルタントになる必要はありません。システム開発の現場でも、十分にDX人材に必要とされる力を鍛えることができます。

実際、要件定義では業務に精通したお客様と議論をしますし、その中で、お客様から既存の業務を変えることに激しく抵抗されることもあるわけです。つまり、変革を推進するためのスキルは、システム開発の上流工程に関わることでも身に付けることができるのです。

そして、そもそもSEはITの専門家です。上流工程に関わったり、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーになれば、システムの構想策定やシステム企画にもおのずと関わるようになります。ITを使いこなす人材、すなわち、DX人材になるためのチャンスは、SEであれば誰にでもあるわけです。

調整役に甘んじてないか

それならDX人材になるなんて簡単だ、と思われたかも知れません。しかし、これがまた簡単な話ではありません。実際、いろんな企業からDX人材が欲しいと言われていますが、その要求に足る人はなかなかいません。

理由の一つに、DX人材の候補となり得る方の多くが、管理職や管理職に近い方であることが考えられます。それらの方でもバリバリ現場変革に尽力されていればいいのですが、多くの企業では、現場から離れてしまっていたり、仮に現場にいても調整役になっていたりして、ハンズオンで現場を変革することができなくなってしまっています。そのために、DX人材たり得る人が実際は不足しているのではないかと思っています。

そもそも時代は、管理職が社内で椅子にふんぞり返っていて良い時代ではなくなりました。大量生産・大量販売の高度経済成長期やバブルの時代は、一度事業を軌道に乗せれば収益が上がっていってしまうため、管理職は部下の育成や評価などの管理に専念してよかったでしょう。

ただ、いまはブログやSNSなどが発達し、何もしていない管理職の実態が露わとなり、現場をリードできない管理職はリスペクトされなくなりました。役職者であるほど、第一線を率いていく力を持っていなければならない時代になったと私は考えています。

そして、時代が求めるDX人材とは、まさに第一線を率いていく人です。時代が期待する管理職のイメージは、そのままDX人材と重なっているのです。

あれれ、早く管理職になって、現場から退いて楽をしたいと思っていたのに・・・という方は、もうそれは前の時代の話なので諦めましょう。むしろ、中堅層になりつつある方こそ、楽をしたいという思いは一旦脇に置いて、現場をリードし、かつ変革できる人材を目指して頂きたいと思います。

キャプテンシーを発揮できるDX人材を目指して

そういえば、キャプテンシーについて語るのを忘れていました。なんでキャプテンシーなの?について、その方は「リーダーシップは使い古されたから」と仰っていました。

でも、その方は言葉の意味を深く理解したうえで正確な言葉を使う方のため、ただ古いから新しい概念を使ったわけではないだろうと思い、後日、キャプテンシーについて調べてみました。

リーダーシップとキャプテンシー、なんだか同じような気もしますが、どうやら以下の違いがありそうです。

○リーダーシップ
役割や地位によらず、課題や問題の解決に力を尽くして周りを引っ張っていくもの。

○キャプテンシー
組織により責任を与えられた役割・地位のものが、組織の目的を達成するために権限を行使して周りを動かすもの。

ただ、キャプテンシーを発揮する際には大抵リーダーシップも発揮されるため、キャプテンシーはリーダーシップに包含されており、かつ発揮の仕方がより明確化されているものとも言えます。

また、キャプテンは組織のトップではなく、実働部隊のトップであることも見逃せません。キャプテンの上には監督があり、更にその上にはオーナーがいます。組織としてはオーナーが最高権力者ですが、キャプテンは現場における最高責任者として設定されるのが一般的です。

DXを推進するためのDX人材を表すにあたって、その方はなぜキャプテンシーという言葉を使ったのか。それは、DXは現場の変革が必須であり、その実現のためにはDX推進責任者が自ら現場に出て、現場の最高責任者として与えられた権限を最大限に発揮し、自らの手で変革を成し遂げることが必要と考えたため、と思います。

DX人材になるためには、当然広いIT知見と深いIT理解は必要ですが、加えて、プロジェクトにてキャプテンシーを存分に発揮することが必要です。それを続けることが、将来DXを推進できる人材になる第一歩と考えますので、いまいるシステム開発の現場にて、すぐにでもキャプテンシーを発揮して周りを変え、プロジェクトを成功に導いて頂ければと思います。

筆者 田中 祐介
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