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コラム:IT業界転職の技術
第1022章

転職先をどうしても決められない場合は

2021年4月16日

転職活動をして複数の会社から内定が出た場合に、どうしても転職先を決められないと苦しんでしまうことがあります。

ある程度志望順位がついているなら選択は難しくないのですが、甲乙つけ難い企業からいくつか内定が出てしまうと、どこを選ぶか非常に迷うことになります。人によっては夜も眠れず、思い悩んで体調を崩してしまう場合もあります。

そんなものなの?ちょっと想像がつかないな・・・ぜいたくな悩みですね、と思われるかもおられると思いますので、想像しやすい例を挙げます。

昔、ドラゴンクエストⅤというゲームがありまして、そこで花嫁を選ぶシーンが出てきます。一人はビアンカという、主人公と幼馴染で子供時代に一緒に旅もした活発な女の子。もう一人はフローラという、優しく気立ての良い美しい女の子です。(DS版ではデボラという女の子も出てくるみたいですが、私は初代DQ5世代で知らないので割愛します)

「なんて羨ましいシチュエーションなんだ・・・」と子供心に思ったものですが、同時に、「え、選ばなきゃならないの?」「どちらか一方のストーリーしか分からないんだよね、もう片方のストーリーってどうなるのか知らずに終わらないといけないの?」と、その残酷な設定に慄きました(もう一回やればいいじゃん、というツッコミはさておき)。

結局、ゲームを進めるために苦渋の決断をしたわけですが、子供ながら真剣に悩み、考え、理と情のはざまで苦しみながら、一日おいて最終選択をした記憶があります。
※興味がある方は「ビアンカ フローラ」で検索をしてみてください。関連記事が未だにいっぱいありますので。

この例はゲームの話なので笑い話で済むことなのですが、これが現実のこととなると、一日悩んで解決するような話ではなくなります。転職先は一つしか選べませんので、ゲームと違ってもう一つを選んだ時の人生がどうなるかは未来永劫分かりません。リセットボタンを押してやり直しができるわけでもないので、考えに考え抜いて、転職先を決定する必要があります。

仕事の内容、辿れるキャリアパス、社風、教育方針と教育制度、会社としての強みや弱み、提示条件、福利厚生、ワークライフバランスなど、様々な観点で比較しても、転職先が決められない場合はどうすればよいか。今回のコラムでは、どうしても転職先を決められない場合にヒントとなる観点をいくつかご提示したいと思います。

どちらが後悔しないか、やり直しがきくか

ある大手事業会社におられた方をご支援差し上げたときのことです。その方は、日系の同業他社と、外資系セキュリティ企業の2社から内定が出ていて、どちらに行こうかを非常に悩んでおられました。

同業他社のオファーは年収も高く、現職では政治が絡んでできなかったことができる、というもの。力のある方だったのですがご自身に余り自信を持っておらず、無難に同業他社の方がいいのかな・・・と思っておられました。

一方、外資系セキュリティ企業のオファーは、年収は同業他社には及ばないものでしたが、これまで経験がなかったセキュリティと英語という、高い市場価値が見込める仕事ができるものでした。業務内容や市場価値を考えるとこちらのオファーの方が魅力的だったのですが、入社後の想定される業務に未経験のものが多かったために躊躇をしておられました。

そこで考えられたことは、どちらを選んだ方が後悔しないか、やり直しがきくか、ということでした。

転職したあと、多くの人はどこかで壁にぶつかります。これまでの経験では対処できないことが起こり、どうして転職をしてしまったのかと思い悩み、後悔の気持ちが湧いてきます。その時に、どちらの方が後悔が浅く、やり直しもきくかを想像すると、選ぶべき道が自ずと決まってきたりします。

その方の場合、もし同業他社に行ったときは、元々その業界の規制の強さや、それに起因する企業の保守的な姿勢に不満を持って転職活動を始めておられましたので、そのうちなぜ同じ業界を年収と安全で選んでしまったのか、なぜ挑戦を選ばなかったのか、と後悔することが予想されました。また、同じ業界を2連続で選んでしまったために、再度転職をしようとしても、今度もまた同じ業界での転職になることが予想されました。あのとき業界を出ていれば・・・と後悔されることが容易に想像できました。

一方、外資系セキュリティ企業に行ったときにはどうなるのかですが、どうしてこんなきつい選択をしてしまったのか、英語やセキュリティを覚えるのは大変だし、なんでもっと楽な人生を選ばなかったのか、という後悔をすることが予想されました。ただ、それならそれで吸収できるものは吸収して、もっといいところに転職しよう!という、案外前向きな未来があることが想像できました。

結果、前者の方が後悔が深く、やり直しもきかないので、後悔が浅くてやり直しもきく外資系セキュリティ企業を選ばれました。

どんなところに転職をしても、必ず辛いときが出てきます。そして、その時に「なんでこっちに来たのか」をほとんどの方が考えることになります。そうなった時にも、前向きに考えられる方を選ぶ、というのが一つの方法といえると思います。

やりたいことが確実にできるかどうか

転職後にやりたいことがダイレクトにできるかどうか?というのも一つの基準になり得ます。

以前、以下のようなコラムを書きましたが、ここでも、どこを選ぶべきかを考えるときには、将来できることももちろん大事ですが、ごく近い未来にどういう仕事ができるのかを考えて欲しい、ということを書かせて頂きました。

○明日の百より今日の五十
https://www.liber.co.jp/knowhow/column/column1016.html

このコラムを執筆したちょうどその頃、日系シンクタンクと外資系コンサルティングファームの2社から内定が出ていた方がいて、最後の最後までどちらを選ぶべきかを迷っておられました。

その方は、会社としての比較でいえば、外資系コンサルティングファームの方に魅力を感じておられました。SIerにおられた方で、非連続な成長を遂げるためにITコンサルタントになりたいと思っておられたので、外資系コンサルティングファームからオファーが出たことはその方にとって大変嬉しいことでした。

ただ、そこで担当する仕事内容が現職と変わらない、ともすると、現職よりもキャリアダウンしてしまう危険性もあるようなオファーポジションでした。

一方、日系シンクタンクの方は、いわゆるコンサルティングファームではないですし、グローバルナレッジのある外資系コンサルティングファームと比べると総合力では劣る印象でした。

ただ、関われる仕事はITコンサルティングに非常に近しいものであり、現職からも確実にステップアップしていけるものでした。

外資系コンサルティングファームの方は、最初はこの部門で入社したとしても異動すればいい、だから最初はこの部門で頑張ってくれ、ということを仰っておられました。ただ、2025年問題に密接に絡む部門であることから、人手不足は当分のあいだ解消される見込みはなく、この4〜5年でも異動できるかどうかは正直なところ未知数でした。

その点、日系シンクタンクの方はできることが明確であり、したくない仕事を数年し続けるといった可能性はありませんでした。そのため、明日の百より今日の五十だと、日系シンクタンクの方を最終的に選ばれました。

もちろん、長期的キャリアを考えたときには、より将来の選択肢に広がりがある方を選択したほうが基本は良いと思います。ただ、両社を比較した時に、一方の不確定要素が大きかったり、直近で関わる仕事が全然希望と異なっていたりする時には、やりたいことが確実にできるかどうかで最終判断をするのが良いと思います。

どうなりたいか、誰と働きたいか

ある程度の比較ポイントがあったうえでどちらがよいかを選ぶことができればよいのですが、比較ポイントが全く異なる場合、とても迷います。

ある方は、コンサルタント、アーキテクト、プロジェクトマネージャの異なる3職種の内定を獲得しておられました。本当は、キャリアの方向性を定め、それが実現できる応募ポジションをピックアップして選考に臨むのが理想的な転職活動の進め方なのですが、その方は、転職活動にてどの職種に適性があるかを見極めたいというお話しでしたので、3つの方向性を定め、それにあったポジションをそれぞれ受けていく、という進め方をしました。

そこで、ある職種の選考はうまく進まず、この職種は内定が出た、となると判断がしやすいのですが、幸か不幸かその方は3つとも内定が出てしまい、どうすればよいのか悩んでしまわれました。

最終的にはコンサルタントを選ばれたのですが、「どうなりたいか」と「誰と働きたいか」で転職先を決められています。

まず「どうなりたいか」、ですが、その方は就職活動の時から、会社から万が一放り出されても生き抜いていけるようになりたいと考えておられました。当時史上最低の就職率だった時代に就活をされ、バブル崩壊後の世界も見てこられましたので、会社に依存していても仕方がないな、会社というものは厳しくなったら社員を平気で切るもんだ、だから市場に放り出されてもどこかで働ける人材にならねばと思っておられました。

また、その方は将来、自分で会社をやっていきたいとも思っておられました。小学生の頃から武田信玄をリスペクトし、「人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり」を体現できるようなリーダーになりたいと思って学生時代を過ごしてきておられます。

そんなこともあって、就職時には敢えてベンチャー企業に就職されているのですが、これらのなりたい人材像は、転職においても選択の軸として残っていました。そして、会社に依存せず生き抜く力がつき、会社をやっていく力も身に付くのはどこだろうと考えたときに、コンサルタントになるのが一番であろうとの結論を出されました。

次に「誰と働きたいか」ですが、選ばれなかったアーキテクトとプロジェクトマネージャの2社についても、実は一緒に働いていけそうだな、と思われたそうです。

ただ、コンサルタントの方と話をしていたときの方が共感するものが多く、思いを同じくする人たちが多ければ、しんどい思いをしても同じ方向を向いて前向きに働けそうだと思ったとのことでした。

また、視点の高さやロジカルさ、話の分かり易さといったところから、自分も鍛えて貰えるのでは、とも感じたそうです。

その方は転職後、当時の実力と転職先で求められるもののギャップが大きかったために大変苦労をされたようですが、数年経ってからお会いした時には、一人前のコンサルタントになっておられました。苦しい中でも仲間とともにゴールへ向かうことができていると、元気にコンサルタントを続けておられました。

「どうなりたいか」や「誰と働きたいか」といった観点も、選択にあたっての観点として参考にして頂ければと思います。

直感に従う

いろいろ考えてもどうしても結論が出ない。どちらの未来もいいし、リスクも同じような感じだ、といった場合は、いくらロジカルに考えて比較をしても、もうどうしようもありません。そのようなときは、ご自身の感覚・直感に素直に従うのが良いと思います。

人間が意識的に考えられることには限界があります。でも、人間は言語化できない無意識下でいろんなことを考え、何かを感じています。無意識下のことをそのまま外に出してしまうとリスクがあるため、意識が無意識を制御するわけなのですが、ロジカルに物事を考えても判断がつかなかったら、最後の最後はご自身の直感を信じ、腹を括って決断をするのが良いと思います。

人間、いろいろとリスクを考えてしまうものですが、やってみれば案外なんとかなります。ある知人が「不安は勝手な思い込み」と言っているのを聞いて、確かにそうだ!と思ったことがあります。

私自身も、実は自分に自信がなく、いつも頭が不安で一杯だった人なのですが、その言葉を聞いて、確かにいくら将来のリスクを考えても仕方がないなと思うようになり気が楽になりました。

その後も、不安に思うことは何度もありましたが、とにかくやってみればいいじゃないかとやってみたら、案外うまくいった、杞憂だったなと思うことが結構ありました。

どちらの企業を選んでも不安は尽きないとは思いますが、未来のことは未来のこと、いくら心配しても不安が解消されることはありません。そのため、むしろその不安をどうやって解消していけばよいかを考えるのが良いと思います。

そして、最終的には、これをやりたい、こうなりたい、こういう人と働きたい、という直感に素直に従って選んで頂くのが良いと思います。

どちらを選んでも、いい人生になる

ちなみに、どちらの方が後悔しないか、というトピックの中で採り上げた方は、迷いに迷ってご家族に相談しています。その時に、ご家族はこう仰ったそうです。

「大丈夫。ビアンカを選んでもフローラを選んでも、勇者は生まれるから。」

どちらを選んでも、あなたの人生はきっといい人生になるし、私たち家族も幸せになれる。だからあなたが選びたい人生を選んで。そういう意味だったのだろうと思います。

転職先を選ぶのに迷いに迷った時には、ぜひこのコラムと、このご家族の言葉を思い出してみてください。

筆者 田中 祐介
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