海外で働くエンジニア (7/8) | IT業界職種研究 | IT転職 エージェント リーベル


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海外で働くエンジニア engineer in overseas

内川 成泰 著者プロフィール

1996年大手ソフトウェア日本法人に入社後、2000年にアメリカ本社開発部隊へ転出。世界各国にいるソフトウェア開発者へソフトウェア国際化のサポートを行なっている。

第7章:英語力って必要?

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シリコンバレーで働く場合、(当たり前の話ではありますが)普段のコミュニケーションは英語がベースとなります。仕事をスムーズに行うためには、英語できっちりとコミュニケーションを取る必要があります。だからといって、英語をネイティブのように話せないと仕事が全く出来ないのか、といったらそうではありません。

実際、シリコンバレーの現地法人で働いている優秀な日本人エンジニアの多くは、英語力がネイティブレベルに達している訳ではありません。5年10年いても、英語がなかなか上達しない人もいます。しかしながら、彼らは専門的な知識や技術力をベースにきっちりと仕事をこなすことが出来ています。なぜでしょうか?第7回目は、海外で働くエンジニアに必要な英語力ってどれくらい必要なの?といったテーマでお話をしたいと思います。

日本で働くエンジニアの方とお話をすると、シリコンバレーで働いていることをうらやましがられたりします。そんな時、私は「こっちにきてみれば?」と答えるのですが、「英語が苦手だから・・・」という理由で、海外で働く夢にチャレンジすることなく、あきらめてしまう方が多いように思います。技術レベルだけで言えば、シリコンバレーで働いているエンジニアとも遜色ない日本人エンジニアはざらにいると思います。しかし、なぜ「英語」という壁が目の前に大きく立ちはだかるのでしょうか?

シリコンバレーで働いているエンジニアの多くは、英語が母国語ではないインド人や中国人です。彼らはアメリカの高校や大学で教育を受けてから仕事に就くので、英語力にアドバンテージがあるように見えます。しかし、日本人エンジニアと違うのはそれだけではありません。

彼らは間違っても良いから、とにかく自分の考えや意思をきっちり伝えようとします。一方で、日本人エンジニアは言いたいことが伝わらないとすぐに妥協する傾向があります。ここが、日本人エンジニアと他の海外から来ているエンジニアの大きく違うところです。インド人の英語がよくわからないと嘆く日本人も多くいますが、実は日本人の英語も大差はありません。あとは、自分の考えをどう伝えようとしているかどうかの部分だけなのです。こちらの現地法人で活躍されている日本人エンジニアは、自分の技術力にかなり自信を持っており、なおかつそれを他人に伝える能力を持っています。これは、根本的な英語力とは異なるものです。

かく言う私も日本の英語教育しか受けたことありませんから、社外に出す正式なドキュメントを書く場合はテクニカルライターのチェックを受けたり、プレゼンテーションをするときはあらかじめ何度か練習をして望むようにしています。母国語で同じ仕事をするよりは、1.5〜2倍の時間がかかることは仕方のないことだと思っています。また、英語で何かを伝えるときは、出来るだけシンプルに言うことを心がけています。あまり難しい表現や長いセンテンスを使わずに、短く簡単な文章で話をします。あとは、なぜ?と聞かれた場合の答えや、より具体的に説明しろと言われることを前もって準備・予想しながら話しをするようにしています。そうすることによって、会話のキャッチボールが何度か続きコミュニケーションが「それっぽく」なります。その逆に、ふいをつかれた質問をすると困ってしまうことは多々あります(苦笑)。

最近は、インスタントメッセンジャーを使ってコミュニケーションを取る機会も増えてきました。メールだとレスポンスがいつになるかわからない、電話だとうまく伝わるかどうか自信がないという日本人エンジニアにとって、かなり重宝するツールだと思います。

ビジネスをグローバルに展開している企業の中では、英語の社内研修を受ける仕組みが整っているところもあります。また、近所のコミュニティスクールなどはほとんど無料で英語を学ぶことも出来ますので、これらを最大限活用して、英語力そのものをブラッシュアップしていくことももちろん出来ます。

最後に、海外で働こうと思ったときに一番最初の関門が、英語でのインタビューだと思います。面接は数回にわたって行われますが、ある意味一発勝負でもあります。コミュニケーション能力の一部として英語力も確かにチェックはされますが、面接ではそれ以外にも重視される項目はたくさんあります。英語だけに関して言えば、面接のために反復練習すれば何とかなるものだと思っています。実際に、普段のミーティングではほとんど話さない(話せない)日本人エンジニアも、面接の時はかなり自信を持って英語を話していたと聞いたこともあります。

入社後、英語に苦労されている様子を見ると、一夜漬け的な方法が本当に正しいやり方かどうかはわかりませんが、目の前の数少ないチャンスをつかむためにはこのような努力も必要なのだと思います。

英語はあくまでもコミュニケーションの手段です。日本の企業で英語力を判断するTOEICやTOEFLの点数もあまり関係ありません。TOEIC900点以上やTOEFLで600点以上取ったからといって、そのまま英語でコミュニケーションが出来るわけではないのは、私自身がよくわかっています。自分が正しいと思ったことははっきりと伝えないと、仕事が出来ない人間だとみなされますので、自信をもってコミュニケーションを取ることが、シリコンバレーで必要な英語力となります。

さて、次回最終回では、日本人エンジニアの普段の生活についてのお話をしていきたいと思います。

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