社内SE (3/3) | IT業界職種研究 | IT転職 エージェント リーベル


IT業界職種研究 | 社内SEとは

社内SE Internal Systems Engineer

佐伯 祐貴

新卒入社した食品専門商社の情報システム部門にて社内インフラ(主にネットワーク)を経験後、自社の基幹システム(販売系)の維持保守を担当。その後、総合商社系専門商社のIT企画部門に転職し、自社サーバーのクラウド移行、子会社の基幹システム刷新に伴う導入支援等に携わる。現在はメーカー系商社のIT企画部門にて、グループ会社のIT全般の支援および国内の工場における基幹システム刷新の企画立案業務に従事中。一貫して商社の社内SEとして活躍。

第3章:社内SEになりたい方に向けて

先日、SEの友人から「社内SEに転職したいと思っているのだが…」と相談を受けました。話を聞いてみると「事業会社の社内SEよりもITの知識は持っているので活躍できると思う。逆の立場に立って仕事をしたい」という内容だったのですが、正直なところ、短絡的で少し危ういな、と感じました。そこで最後の章では、これから社内SEを目指される方や、社内SEの仕事に興味がある方に向けて、事業会社における社内SEの現実と、私自身の経験や考えについて簡単にお話しをさせていただければと思います。

社内SEの現実

まず前提として、事業会社におけるメインストリームは営業部門です。財務や人事、IT部門など、管理部門はバックオフィス、いわゆる黒子であり、その中でも、IT部門は特に立場が弱いケースがあります。実際、メディアでIT先進企業として取り扱われ、「ITが重要だ!」と謳っている会社のIT部門長が「この会社にITの仕事をしたくて入社してきたプロパー社員はいない。」とネガティブな発言をされたのを聞いたことがあります。

また、営業からIT部門に異動されたある社員(総合職でしたが)の方は「なぜ私がITなのか?早く戻りたい…」など、ITのポジションを非常にネガティブに捉えていらっしゃる方もいました。そういった会社の場合、会社全体でみると優秀な人が多いのですが、主体的にIT部門で仕事をしたい方がいないため、「エース級の人材がいない部署」と揶揄されることもあります。このような会社の状況や考え方では、IT業界出身でITの知識やスキルを持っていても、想像したしたような活躍ができるかどうかは難しい部分もあると思います。

また、前述の友人は、私から見ると社内SEに対してものすごく期待をしているように感じ、その期待を持ったまま社内SEに転職してしまうと失敗すると感じざるを得ませんでした。

社内SEに必要なもの

過去にSEやコンサルタント出身の方が社内SEとして中途入社され、同僚として働いたことがあります。順調に仕事をしている方もいる一方で、あまり前職ほど活躍できていない方や、残念ながら辞められた方もいました。当然、既存の社内SEよりITに関するスキルがあるため優秀なのですが、そのような方は第2章で書きました残念なSEやコンサルタントに共通する「ユーザーの業務を理解する姿勢が足りない」または「周りとの調和がうまくできない」方である印象でした。

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もちろん、SEが持つ専門的な知識や、コンサルタントの方が持つ課題解決のスキルは社内SEに転職する際に武器になるため、優位性は必ずあると思っています。ですが、それと同等以上に対人コミュニケーション能力やバランス感覚といったスキルが必要であると感じています。

実は、残念な方にならないために必要なこのスキル、社内SEが持っていないことも多々あります。そういった社内SEはユーザーやベンダーに対して非常に高圧的な態度をとるようなことをし、両者から煙たがられる存在になっています。

当たり前ですが、高いコミュニケーション能力やバランス感覚は事業会社でも他の会社でも必要な能力ですが、事業会社における社内SEはITが苦手なユーザーとITに詳しいベンダーとの架け橋になるような存在であるべきと考えますので、よりそれらのスキルが必要になってくると思います。

私が社内SEとして働く理由

私が社内SEとして10年以上働く理由ですが、事業会社にはITに詳しい人間が必要だと感じているからです。確かに、IT部門の立場が弱い会社ではIT人材が活躍しにくいという側面はあります。

ですが、事業会社でも官公庁でもNPOでも、日々の業務を遂行するためにITは必要不可欠であり、更に日々テクノロジーは進歩するため、社内SEに限らず、営業やトップマネジメント層も含め、使う側の学ぶ姿勢が求められていることは言うまでもありません。

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そのような状況で、事業会社にITに詳しい人間がいない、更にはITに詳しい人間が事業会社からIT企業へ転職していくとどうなるのか?自分たちで判断ができず、ベンダーの言いなりになり、出来上がったシステムは社内ニーズが無い代物ができてしまう…これは想像ではなく、実際に私が目で見てきたことです。その現実を見ると、ITに関する知識を持ち、きちんとベンダーと交渉ができ、社内外の関係部門とコミュニケーションできる人材が事業会社に必要と強く思っています。

また、会社の事業を理解し、その事業に対する貢献を実感できることも社内SEを続ける理由です。過去に、地方の工場の基幹システム刷新のため1年ほど現地支援をしたことがあるのですが、本社からは無駄に見える業務が、実は顧客獲得における競合との差別化のために必要であったことや、そこで働く人の日々の業務の大変さ、煩雑さといった苦労を直に感じ、外からでは決して分からない多くのことを知ることができました。時に、上席の方と飲みに行くこともあり、経営課題をどのようにITで解決すればよいのかという悩みや、会社や事業をこれからどうしていきたいかという熱い想いに触れ、自分はシステム担当者としてどのようにITというツールによって課題解決を実現できるのか、社内SEとして貢献できるのかといったことを考えているときに仕事の意義を感じました。

時には厳しい言葉を言われ、激しい議論を交わすこともありました。大変な仕事ではありますが、最後にユーザーから感謝の言葉や「また来てくださいね」と声を掛けられたときが、自分が役立っていることを一番感じる瞬間であり、社内SEの醍醐味だと思っています。

最後に

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私が日々仕事をしている中で感じることは、社内SEという職業は非常に高いコミュニケーション能力とバランス感覚が求められるということです。事業会社におけるIT部門は専門性が高く、存在自体が周囲からとっつきにくい印象を与えてしまいがちです。だからこそ、ベンダーと専門的な用語で会話をするだけではなく、ITに詳しくないユーザーの方に対して分かり易い用語で話すなど、社内SEから歩み寄る必要があると思っています。小難しいシステムの用語や機能のことを噛み砕いて説明することや、一見無茶な要望であっても一旦は受け止めて、自分たちの会社のシステムを一緒にどうしていきたいのかを考えることができれば理想的と思っていますし、私自身少しでもそれに近づけるよう努力し続けています。

お話しさせていただいた内容を参考にしていただき、もし社内SEとして働いてみたいと思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ事業会社のITを支える仕事をご一緒したいと思います。

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