仮説思考のコツ | ケンゾウの戦略コンサル物語 | IT転職 エージェント リーベル


ケンゾウの戦略コンサル物語

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筆者プロフィール: ケンゾウ
大学院修了後、メーカーでエンジニアとして勤務。その後、外資系の戦略コンサルティングファームに転職。幾多の苦労を重ねながらも、数年間をそのファームで過ごした後に卒業し、現在は投資ファンドで働いている。

第56話
仮説思考のコツ

仮説思考とは

こんにちは、ケンゾウです。前回コラムで「仮説思考」という言葉を使いました。今日は、戦略ファームの仕事の進め方の特徴の1つである「仮説思考」について書いてみたいと思います。

まず「仮説」とは何かということですが、何かの問いに対して「たぶんこうなんじゃないか」という自分なりの考えのことです。例えば、ある会社の月次売上推移のグラフを見て、「毎月売上が微減している原因は何か?」という問いに対して、手元に何も情報が無くても、「競合他社の攻勢にあって顧客が奪われているのでは?」とか「景気が厳しいので顧客が単価の安い商品にシフトしているのでは?」などと想像することは出来るかと思います。これらが立派な「仮説」なのです。つまり、わからないなりに、可能性が高そうな答えを考えてみたものを「仮説」と呼んでいるのです。

では戦略ファームの「仮説思考」とはどんなものかというと、答えがわからない問いに対して、いきなり調査をはじめるのではなく、先ずは仮説を立てるのです(もしくは、ごく基礎的で簡単なデータのみ収集した上で仮説を立てるのです)。仮説は1つである必要はなく、沢山あっても構いません。そしてそこから、仮説が正しいかどうかを調べるのです。この作業を仮説検証と呼びます。ある仮説が間違っていることがわかれば、次の仮説を検証するか、又は検証の過程でわかったことを基に新たな仮説を立てて、再び検証します。

この手法の良い所は、結果として非常に早く問いに対する答えが見つかるということです。これはやってみないとなかなか実感できないのでお伝えするのが難しいのですが、仮説を立てずにいきなり調査を始めると、データは沢山集まっても、そこから何も見いだせないまま延々と時間だけが過ぎていき、アウトプットがゼロという怖い結果に陥ることになりかねないのです。

仮説が正しいことを証明しようとすれば、複数の角度から検証が必要なので少し時間がかかるのですが、仮説が外れている場合は比較的すぐに分かることが多いです。例えば、先ほどの「売上減の理由は客単価の下落では?」という仮説は、客単価の推移を調べてグラフにし、グラフが右肩下がりになっていなければ、すぐに間違いだとわかります。実はそれだけでも大きな発見なのです。少なくとも客単価以外の原因を考えなくてはいけないということが明確になりますので。

仮説思考に慣れるまで(私の場合)

私の場合、もともとエンジニアで数字には強かったので、仮説の検証は比較的得意な作業でした。ただ、戦略ファームへの転職直後は、エンジニア気質がマイナスに働くこともありました。具体的にどういうことかというと、どうしても最初は仮説から入るのではなく、データで全体の状況を見てから仮説を作りたいと思ってしまうのです。どうも当時は「真理を追求したい」というエンジニア心理が根底にあったようで、同僚がいきなり仮説を言い出すと、「何を根拠に?」とか「ちょっと決めつけ過ぎでは?」と違和感を感じてしまっていたのです。ですが、しばらくして、結果として仮説構築の初動が遅れて、作業に時間がかかって効率が悪いと自覚するようになりました。

そこから学んだ私なりの仮説思考のコツは、最初は「ちょっと決めつけ過ぎ」と思うくらい大胆に仮説を立ててみるくらいの方が、結果的に上手くいくということです。但し、ここでもう一つ同じくらい重要な事があって、それは自分の仮説に固執しないということです。ときどき、よほど自分の仮説に自信があるのか、それとも自分が考えたストーリーで押し切りたいのか、検証結果が思わしくなくても何とか前向きに解釈しようとバイアスがかかる人がいます。こういう人は、コンサルタントとしては苦労します。強引な解釈をすると、部分的にはOKでも、結果的に全体として論理に矛盾が生じることになりますので。

ですので、大切なのは、「決めつけ過ぎ」と思うくらい大胆に仮説を立ててみて、検証過程で「あれ、おかしいな?」と思ったらすぐにその仮説を撤回する素直さ(節操の無さ?)を忘れないということです。仮説思考は、慣れてしまえば皆さんの日々の業務でも使えるスキルだと思いますので、興味がある方はぜひトライしてみてください。また、仮説思考を解説する書籍も沢山出ていますので、詳しく知りたい方はそれらを一読されても良いかと思います。

(次回につづく)

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