
ウィプロ・テクノロジーズ
設立: 1998年4月
社員数:350名
躍進を続けるインドのIT企業。その中でもウィプロは、同国内におけるITサービス売上高で常に上位3位を争うトップベンダーの1つである。創業時は主に食用油などを扱っていたというユニークな来歴を持つ同社は、1980年代にIT業界に参入するや「オフショア開発のパイオニア」として急速に事業を拡大。今やインド・バンガロールの本社のほかにも世界各地に開発・サービスの拠点を有し、組み込み系からシステム開発、パッケージ導入、データセンター運営など、ありとあらゆるIT分野でグローバルビジネスを展開している。
1998年には日本オフィスを設立。ウィプロならではのグローバルなプロジェクト実行力、科学的な品質管理手法に裏打ちされた高品質といった特長は日本でも支持され、今やインドIT企業ではNo.1の実績を上げている。
日本市場でのさらなるビジネスの伸長を期すウィプロが今後目指すこと、そして、求める人材像をなどを、ウィプロ・テクノロジーズ エンタープライズ・アプリケーション・サービス デリバリーマネージャーの中山和彦氏と、リクルーティングマネージャーの廣瀬智昭氏の2人に聞いた。

「インドのIT企業というと、誰もがソフトウエア開発のアウトソーサーというイメージを抱くでしょう。もちろんその部分は我々ウィプロの強みではあるのですが、決してそれだけではない。基本的にやっていることは、コンサルティングファーム・大手SIerなどと大きな変わりはないと考えていただいて結構です」。のっけから廣瀬氏は熱っぽく語る。
それは日本におけるこれまでの同社の実績からも明白だ。組込製品開発、テレコムサービスプロバイダ、エンタープライズ・ソリューション、金融ソリューションと幅広い領域でサービスを提供。例えばエンタープライズ・ソリューションの分野では、大手メーカーの海外拠点における基幹系パッケージの一斉導入といった難易度の高いミッションを数多く受注し、成功に導いている。「豊富な経験とノウハウから、真の意味でのグローバルプロジェクト実行能力を備えている。それが当社の最大の特長です」と中山氏も自信を見せる。
そのグローバルプロジェクト実行能力を支える強固な基盤となっているのが定評ある独自の品質管理手法である。日本の製造業の品質管理アプローチをソフトウエア開発に適用。さらにそこにISO、CMMi、Six Sigmaといった数々の標準フレームワークの手法を加え科学的に体系化し、たゆまざる品質向上に取り組んでいる。特にCMMiのレベル5を取得した企業は世界でもウィプロが初めてだ。「しっかりした方法論に基づいてプロジェクトを進めるため、確実に成果が出せるわけです」(中山氏)
さらに優秀な人材リソースを豊富に抱えていることも同社の強みの源泉だ。インド国内の一流大学から毎年、工学系・情報工学系学科専攻の新卒者を多数採用。応募者のうち採用に至るまでの確率は1000分の7というから、同社のエンジニアがいかに選び抜かれた存在であるかがわかるだろう。しかも同社では人材をさらに磨き上げるためのトレーニングにも巨額の投資をしている。例えば日本市場向けにはチェンナイに専用の教育機関を設け、日本語および日本文化に習熟した人材を育成している、といった具合だ。
インドのIT企業というとオフショア開発、オフショア開発というとコスト低減、という文脈で語られがちだが、「実際、価格についてはオンサイトだと日本のSIerと変わらないことが多い」と中山氏。それでも日本市場でウィプロが選ばれ、実績を伸ばし続けているのは、価格面以外でも同社の競争力が高く評価されているからと言えるだろう。
こうした中、ウィプロに入社する日本人に求められるのも、ブリッジエンジニアやコーディネーターといった役割ばかりではない。

「自らがバイリンガルコンサルタント、あるいはバイリンガルエンジニアとして主体的にプロジェクトに携わり、お客様に対していかに付加価値のあるサービスを提案していけるかがポイントになります」と廣瀬氏。要はコンサルティングファーム・大手SIerが開発を日本国内の他の企業へアウトソースしているところを、ウィプロは全てをインハウスで持っているだけであり、またその中でインドの人材リソースを活用しながらプロジェクトを進めていくため、コミュニケーションの手段として英語が必要になるだけ、というわけだ。
一方で、コンサルティングファームや大手SIerと決定的に異なるのは、プロジェクトにおける日本人1人ひとりの存在感の重さである。「コンサルティングファームや大手SIerでは大勢いる日本人の1人に過ぎないが、ウィプロではオンサイトでの中心人物になります」と中山氏。当然その分、やりがいは大きい。
加えて、日本案件については基本的に日本サイドの仕切りでプロジェクトを進めていくことになるため、グローバルなプロジェクトを自分の手でコントロールしていくチャンスに恵まれるのもポイントだ。「世界レベルのプロジェクトマネジメントを経験したい人、品質管理を含めた最先端のプロジェクト方法論や手法を学びたい人にとって、ウィプロは非常にいい環境だと思いますね」と中山氏は笑顔を見せる。
ウィプロでは今後も、上流のコンサルティングからのビジネス拡大により力を入れていく構えだ。同社はアプリケーション開発、保守からスタートし、導入、そしてコンサルティングへと、下流工程から上流工程へと上ってきた。コンサルティングファームが今、コンサルティングから海外にオフショア拠点を構築するなどして下流工程に手を広げつつあるのと逆の動きをしているといえる。
「コンサルティングファームに比べ、我々は歴史的に『実際に手を動かす』というところからやってきているので、地に足の着いた実現性の高い提案ができる。さらにグローバルプロジェクト実行力、優秀かつ豊富なマンパワーという面でも強みがある。アドバンテージは大きいと思いますね」と中山氏は力を込める。
ウィプロは現在、日本で人材の積極採用を行っている。それでは同社が求める人材像とはいかなるものなのか?

スキルについては職種によって様々だが、業務を遂行する上でどうしても必要になるのが英語力だ。ただしこれについては、入社当時ほとんど英語ができなかった人が、熱心に英会話学校に通い、1年もたたないうちにインド側からも能力を認められるまでに成長したという例もあり、いちがいに英語が話せなければ採用しないというわけではない。「ただ、英語に対してアレルギーがなく、なんとかしてコミュニケーションをとろうという意欲が見られることは条件」と廣瀬氏は言う。
一方、資質面については廣瀬氏は第一に「向上心が高く、受け身ではなく能動的なこと」を上げる。
「ウィプロでは、ポジションもタイトルも自分から獲るもの、という意識が徹底しています。自分から率先して動き、能力をアピールしていかないと、チャンスは巡ってきません。逆を言えば年功序列的な要素は全くない。入社してからの期間が短くても、かなり高いポジションについている人はたくさんいます」
もう1つ重視するのが「柔軟性」である。一緒にプロジェクトを進めるインド人の全員が日本的なカルチャーを共有しているわけではなく、日本では当たり前のことが通用しないこともある。「そうしたことにいかにフレキシブルに対応し、粘り強く相手に理解してもらえるように努められるか。大変なこともある反面、グローバルビジネスを進める上での成長にもつながります」と廣瀬氏は語る。
ウィプロはグローバルには社員数7万人を超える大企業だが、日本に在職するの社員数は350人ほどで、いまだベンチャーの気風を色濃く持つ。職場環境的にも非常にオープンかつフラットな雰囲気で、かなり上のレベルの人に対しても直接、自由に意見を言える。

また、同社には「スマートに働く」という文化がある。「担当するプロジェクトの状況にもよるが、土日出勤が続いたり、連日終電で帰ったりということが多い会社ではありません。実際、『ウィプロに入社して仕事とプライベートのバランスが取れるようになった』と言う人は多いですね」(廣瀬氏)
さらに充実した人材教育制度を利用できるのは日本オフィスでも同様だ。定期的に品質管理手法の講習やリーダーシップ研修を開催。さらにグローバルでセレクトされた人が集まる各種研修に参加できるチャンスもある。昨年からは新たに、スタンフォード大学のプログラムマネジメントコースを選抜した人に受講させるという取り組みも開始された。「その他、ビデオ会議システムを使いインドにいる講師のレクチャーを受けるオンライン講座なども頻繁に行われています。スキルアップの機会は十分です」と中山氏は語る。
ウィプロが日本において本格的に発展していくのはまだこれから。だからこそ今、加われば、同社が長年かけて築き上げてきたグローバルデリバリーモデルでのビジネス経験をいち早く吸収し、先頭を切って活躍していくことが可能になる。世界を股にかけたスケールの大きなビジネス領域で勝負したいのであれば、このチャンスを見逃すべきではないだろう。

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