注目企業インタビュー

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エムスリーキャリア株式会社

医療従事者に特化したキャリア支援事業で急成長 新規事業開発・海外展開を見据え、エンジニアの積極採用に乗り出す

エンジニアリンググループ
マネージャー
寺田 将規 氏
エンジニアリンググループ
多賀 光寿 氏
医療・福祉は高齢化社会の進行などから今後ますます市場規模が拡大し、2030年には産業別の就業者数において日本最大の産業になるとさえ予測されている。そんな中、医師・薬剤師をはじめとする医療従事者に特化したキャリア関連ビジネスを手掛け、急成長しているのがエムスリーキャリアだ。
25万人以上の医師・約10万人の薬剤師の会員を有する日本最大の医療情報プラットフォームを運営するエムスリー株式会社(以下、エムスリー)と、医療・介護・看護分野における高度な人材紹介/求人広告ノウハウを持つ株式会社エス・エム・エス(以下、エス・エム・エス)によるジョイントベンチャーとして2009年12月に生まれたエムスリーキャリアは、エムスリー、エス・エム・エス双方の強みのシナジー効果により、創業から毎年120%超という猛烈な勢いで成長。4年目には早くも医師・薬剤師の人材紹介事業で業界トップシェアを獲得し、現在もその座を守り続けている。今や従業員数は490名(2017年12月時点)、売上高も86億3000万円(2016年度)にまで到達した。
「イキイキと働く医療従事者を一人でも増やし、医療に貢献する」をミッションに掲げ、既存の医師・薬剤師向けキャリア関連ビジネスのみに留まらず、新規事業開発および海外展開を積極的に推進していく構えのエムスリーキャリアでは、現在、自社で運営する数多くのキャリア関連サイトおよび社内システムの企画・開発・運用改善を行うエンジニアの人材強化に注力している。同社が求めるエンジニア像とはどのようなものか? また、同社で働くことでエンジニアは何を得ることができるのか? 同社エンジニアリンググループマネージャーの寺田将規氏と、2016年に同社に転職してきたキャリア採用人材であるエンジニアリンググループの多賀光寿氏に話を訊いた。

エンジニアサイドから積極的に意見を出して業務を改善

エムスリーキャリアの事業の中心は、医師・薬剤師を中心とする医療従事者向けの人材紹介/転職支援サービスだ。医師向け転職支援サービス「エムスリーキャリアエージェント」や薬剤師向け転職支援サービス「薬キャリエージェント」をはじめ、医師のための総合転職支援サイト「m3.com CAREER」、薬剤師のための総合転職支援サイト「薬キャリ」、医師向け病院口コミサイト「m3.com 病院クチコミナビ」、研修病院探し支援サイト「m3.com 研修病院ナビ」、麻酔科専門仕事探し情報サイト「アネナビ!」、薬学生のための就職情報サイト「薬キャリ1st」、産業医の採用を支援する「産業医紹介・顧問サービス」など、多種多様なサービスを提供。さらには医師・薬剤師向けキャリア情報提供や、病院経営支援、医師採用アウトソーシングなどの医療コンサルティングに至るまで、極めて幅広い事業を手掛けている。

エンジニアが所属するエンジニアリンググループの役割は、それぞれの事業部が運営するサービスを、Webサイトや営業システムの開発・運用によって支援することだ。ただし、決して「他の事業部に言われたままのシステムをそのまま作る」だけではない。

「サービス開発にあたっては、事業部のマーケティング担当者やコンサルタント、あるいは事業責任者レベルの人と共に、企画段階から入り込んでいきます。曖昧なものを0→1で形にしていくのはすごく面白い。また、当社の場合、集客や業務の改善について、エンジニアサイドからも積極的に意見を出していくのが特徴です。KPI(重要業績評価指標)を見ながら、『もっとこうしたほうが集客できる』『こうしたほうがより日々の業務を効率化できる』といった提案を行い、実際にそれをシステムに落とし込んでいくわけです。純粋に技術だけでなく、ビジネス視点も磨けます。エンジニアも全員、『事業をどう伸ばすか』という視点から仕事に取り組んでいます」と、エンジニアリンググループマネージャーの寺田将規氏は語る。

AIなどの最新技術にも惜しみなく資金を投入

事業会社のため、すぐ近くに自分たちが開発したシステムを使って業務をしている人がおり、常にフィードバックを受けながらより使い勝手の良いシステムに改善していけるのもやりがいにつながる。また、AI(機械学習)をはじめとする新技術の導入にも極めて積極的だ。例えば最近も、転職支援サイトに登録している人材を、転職意欲の高い人、低い人に振り分け、それぞれに適したより効果的・効率的な支援を行っていく求職者の意向度判定システムを、エンジニアサイドからの発案によって導入したが、その転職意欲の高/低の判定も、AIを用いて行っている。

「もともとエムスリーキャリア専属のエンジニアを初めて採用したのが2013年からと比較的最近なので、『新しいものをどんどん取り入れていこう』というベンチャー的感覚が色濃く残っています」と寺田氏。さらに多賀光寿氏も「医療業界という成長市場の中で、中長期的な事業成長が見込めるため積極的に開発予算を投入してもらえ、資金的な面で不安がない、というのもありがたいですね。新しい技術を使ってこういうことをしたい、と思っても、お金がないからできない、というのでは面白くないですから。大手とベンチャーの両方の良いところを併せ持っています」と笑顔を見せる。

開発は、親会社であるエムスリーと共同で行うことも多い。エムスリーは業界屈指の技術力を持つエンジニアが多数在籍することで知られており、一緒に仕事をする中で自身の技術も磨き上げていくことが可能だ。

「学習意欲が高いこと」「自分で手を動かせること」が重要

すでに医師・薬剤師向けの人材紹介/転職支援サービスでは業界トップの地位にあるエムスリーキャリアだが、それだけで満足しているわけではない。さらなる成長に向け、今後は病院やクリニックに向けた経営・業務支援などの新規事業を推し進めてもう1つの主力事業を作ることや、日本以外の複数の国で事業展開することを目標にしている。そのためには新たなWebや営業システムが必要となり、システムの重要性がこれまで以上に増してくることから、現在、エンジニアのキャリア採用を積極的に推進中だ。現在、医師キャリア事業部で13名、薬剤師キャリア事業部で9名の、合計22人がエンジニアリンググループに所属しているが、「3年以内に30〜40名にまで増やしたい」と寺田氏は語る。

それでは同社ではどのようなエンジニアを求めているのか? スキル的には、1年以上のシステム開発経験は必須。Rubyでの開発経験者やBtoC向けWebサービスの開発経験者は歓迎される。一方、資質として寺田氏が真っ先に挙げるのが「学習意欲が高いこと」だ。
「エムスリーキャリアでは新しい技術をどんどん導入するし、システムを開発する上では業務知識も不可欠になる。必要な技術や知識を素早くキャッチアップしてもらえることが何より大事です」と寺田氏はその理由を説明する。

ただし、入社時には業務知識は一切問わない。これまでも医療業界出身のエンジニアは1人もおらず、全員、業務知識は入社後に学んで身につけたそうだ。

サービスを開発する上では、事業部の担当者のざっくりとした話を聞き出した上で、どんなものが必要とされているのかをしっかり把握し、システムにまとめあげなくてはならないため、論理的コミュニケーション能力も重視する。
「そういう意味では、SIer出身者はマッチすると思いますね。実際、今いるエンジニアの半数くらいはSIerから来た人です」と多賀氏は言う。

エムスリーキャリアのシステムはほぼ全て内製なので、「自分で手を動かす」ことが必要。これまで上流工程でのマネジメントや外注コントロールが中心で、自分自身で実装していないという人はフィットしない。また、言われたことしかやらない・できない、というのではなく「主体的に動ける」ことも大事。同社では1人のエンジニアが複数のサイトやサービスを担当し、改善点などを自ら提案していかなくてはならないからだ。
「フロントエンドからバックエンドまで、オールマイティにこなせるエンジニアであると理想的。ただ、最初は自分の得意なところから担当してもらって、徐々に技術の幅を広げてもらえればいいと思います」と寺田氏は語る。

恵まれた職場環境に「なんなんだ、このホワイトさは!」と驚いた

実はすでに登場している多賀氏も、2016年5月にエムスリーキャリアに転職してきたキャリア人材だ。前職のコンサルティングファームではシステムの導入・開発を担当。35歳で転職を決意した。転職の動機とエムスリーキャリアを選んだ理由について以下のように語る。

「30代半ばになると、管理や営業の仕事が多くなってきて。それよりもエンジニアとして自分で手を動かし続けていきたいと考えました。ただし、管理業務ではないからと給料がガクンと落ちるのは正直困る(笑)。両方の面で、私の希望を満たしていたのがエムスリーキャリアでした。開発案件の1つひとつが医療業界の課題解決につながっているため、社会貢献の手応えを感じられるのも魅力でしたね」

現在は医師キャリア事業部で、主に麻酔科専門仕事探し情報サイト「アネナビ!」の開発および運用に携わっている。「どうやったらより効率的なマッチングを行えるかなど、自分でシステム的な工夫を凝らせるのが面白い」と多賀氏。また、前職のコンサルティングファームとは、意志決定の速度に大きな違いがあるとも言う。
「前職では、クライアント説得のためにキレイな資料を作って提案しても、そのクライアントの上司や違う部署の反対でひっくり返る、などということも頻繁にありました。しかし、エムスリーキャリアの場合、事業責任者クラスの人と直接話し、物事を効率的かつスピーディーに進められる。資料作成などに費やしていた時間を、より良いシステムを作ることに注ぎ込めるようになりました」

働き方にも非常に満足している。前職時代は終電帰りも少なくなかったが、現在はほぼ18時30分で会社を出るように。保育園に通う子供のお迎えは多賀氏の担当だ。それに加えて、週に1度は在宅で仕事をしている。
「仕事と子育てを両立する上で、こうした環境は本当にありがたいですね。早く帰宅しても、誰にも何も言われることはありません。私以外のエンジニアも、遅い人でも20時か20時30分にはほぼ全員帰宅しています。転職当初は『なんなんだ、このホワイトさは!』とびっくりしました」と多賀氏は笑う。

エンジニアの成長を支援する制度が充実

多賀氏の言葉にもあったように、エムスリーキャリアはエンジニアのワークライフバランスの実現にも力を入れている企業だ(参考:https://www.vorkers.com/award/)。月間平均残業時間は約20時間。家族と過ごしたり、趣味を楽しんだりする時間もしっかりと取れる。社内では野球部などの球技部をはじめ、サバイバルゲーム部、ウインタースポーツ部など部活動も盛ん。社員の平均年齢が30歳(エンジニアのみでは33歳)と若いこともあり、活気溢れる雰囲気だ。

また、1冊1万円以内の書籍なら何冊でも購入できる「書籍購入制度」や、外部セミナーへの受講費を補助する「勉強応援制度」など、エンジニアの学習を支援する制度も提供。社内でAI(機械学習)やAWSなどの勉強会を行っているほか、エムスリーグループでの勉強会も頻繁に開催されている。成長意欲の高いエンジニアには非常に恵まれた環境といえるだろう。

キャリアパスについても、エンジニアとして経験を積んでプロジェクトマネージャーを目指す「マネジメントコース」と、上級エンジニアとして腕を磨き続ける「プロフェッショナルコース」の両方を用意。本人の希望に合わせて選択可能だ。

「SIerやコンサルティングファーム出身でWeb系の仕事に携わってみたいという方にとてもマッチする会社だと思います。『自分で手を動かし続けて仕事をしたい人』、『ムダなことに時間を費やすのではなく、成果に直結する業務に思い切り注力したい人』にも、満足できる環境を提供できると思います」と多賀氏。さらに寺田氏も「社内にエンジニアのグループが設けられたのもまだ数年前のことなので、まだまだやれることがたくさんあります。グループをイチから作りつつ、自分のやりたいことを実現する面白さを味わってほしいですね」と力を込める。エムスリーグループは、フォーブス「世界で最も革新的な成長企業」で世界第5位に選ばれている企業グループ。その中で医療・福祉という社会貢献性の高い業界の仕事に関わりつつ、エンジニアとしてさらなる成長に挑んでみてはいかがだろう。

ライター プロフィール

荒濱 一(あらはま・はじめ)
1971年、東京生まれ。上智大学文学部教育学科卒。高校教諭、タイ・インドでの広告代理店勤務を経て、1998年からライターとして活動を開始する。現在、ビジネス(特に人材・起業)、IT/デジタル機器、著名人インタビューなど幅広い分野で記事を執筆するほか、広告コピー分野でも活躍。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)

リーベルコンサルタントから一言

技術もやりたいし、サービスも企画したいし、マネジメントもやりたい。
同時に、エンジニアとして自己研鑽する時間や家族との時間も大切にしたい。
そんなワガママ、普通は通りません。
でも、それができてしまうのがエムスリーキャリアです。
人材紹介を柱としつつも、その枠を超えた医療全体への貢献が可能なのがエムスリーキャリアの魅力。
特に業務系SEでWeb系キャリアにチェンジしたい方にお勧めです。

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