注目企業インタビュー

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フューチャーアーキテクト株式会社

「顧客企業の未来価値の最大化」にこだわり抜く国内最大級のコンサルティングファーム ホールディングス化でさらなる成長ステージへ

人材戦略グループ
チーフ
宮原 隆 氏
執行役員
エンタープライズビジネス本部
松川 亮平 氏

「経営とITをデザインする」のキャッチフレーズで知られる独立系のITコンサルティングファーム、フューチャーアーキテクト。1989年の設立以来、一貫して「ITをどうするか」ではなく「ITでどのように顧客企業の経営課題を解決するか」という視点に立脚。顧客企業の業務の本質を深く理解した上で、高度な技術力を駆使して “未来価値を最大化する”コンサルティングを提供してきた。中立・独立のポジションを堅持し、いわば顧客企業の社外CIO的な見地から経営改革に最適なITソリューションの選択・導入を進めているのも大きな特長だ。

同社は2016年4月、フューチャーグループのホールディングス化に伴い、グループの中核企業として新たな歩みを始めた。同業のコンサルティングファームやSIerがひしめく中、同社は今後、どのような強みを活かしながら、激しい競争を勝ち抜いていこうとしているのか? そして、その中で求められるキャリア人材像とは? 執行役員エンタープライズビジネス本部の松川亮平氏と、人材戦略グループチーフの宮原隆氏に話を訊いた。

“全体視点・全体最適”の示す意味とは?

他のコンサルティングファームとは一線を隠す、フューチャーアーキテクトならではの差別化ポイントはどこにあるのか? この問いに対して、39歳の若さで同社の執行役員を務める松川亮平氏は「全体視点・全体最適に則っているところだと思います」と即答する。

「我々は単に個別のシステムを作ることにコミットしているのではありません。コミットしているのは“お客様の未来価値の最大化”。そのために、与えられた課題の解決を実現するだけでなく、その周りを広い視野で見渡し、『次はこうするべきだ』『その次はこれもある』と大きなロードマップや全体計画を描いて提案し、推進していく。これができているコンサルティングファームは、当社以外にそうそうないでしょう」

一例として、松川氏は、自身がリーダーとして統括した、大手アパレル企業のプロジェクトを挙げる。このプロジェクトについては、当初は店舗・物流・会計をコントロールする販売管理の基幹システムを構築するのがミッションだった。これ自体も多い月には80人を超えるメンバーが参画したかなり大掛かりなプロジェクトで、実現できたのは大きな成功。ただし、松川氏の視点はそこだけには留まらなかった。

では次にどんな課題があるのか? そのアパレル企業の経営陣と話し合ううちに、アパレル企業であればどこもが悩む過剰在庫の問題に突き当たる。なぜ過剰在庫を抱えることになるのか? それは大量の在庫を、商品を販売してもらう多数の小売事業者それぞれに配らなくてはならないからだ。ならばそのアパレル企業で在庫を一元管理する“共有在庫”を実現できないか。そのために松川氏率いるチームは、複数の店舗やECモールで在庫を共有化できるオムニチャネル戦略支援データ連携システム「OmnibusCore」を開発し、業界全体に対してサービス提供を開始した。

※「OmnibusCore」の詳細については、以下を参照。
http://www.future.co.jp/company/press/2015/150901.html
http://www.future.co.jp/contents/uploads/160907.pdf

「もちろん与えられた契約の中で担当するべき領域はあります。このプロジェクトの場合、当初、それは“基幹システムを構築すること”。でも、そこだけやってもお客様が抱えている問題を全て解決できるわけではない。その際に、“お客様の未来の成功”を考えて横にある課題にまで突っ込んでいき、お客様と一緒に膝を突き合わせながら、その課題の解決にも尽力する。それがフューチャーのコンサルティングのやり方です」。松川氏はこう自信を込めて語る。

“真の意味での一気通貫”を徹底

全体視点・全体最適を重視するフューチャーアーキテクトでは、「上流工程」「下流工程」という区分けも存在しない。最初に顧客先を訪問したコンサルタントが、プロジェクトの実現まで責任を持って最後までとことん付き合う。この“真の意味での一気通貫”を徹底しているのも同社の特色だ。

この点について人材戦略グループチーフの宮原隆氏は「他の多くの総合コンサルティングファームでは、一気通貫でやっていると言っても、社内で“営業だけする人”“戦略だけ立てる人”“要件定義だけする人”“設計開発だけする人”と、フェーズなど役割の単位で部門を分けて分業し、社内でバトンの引き継ぎをしていると聞くことがある。その点、我々の場合、新規プロジェクトが発生すると新しく部門が立ち上がるイメージで、その部門の初期メンバーは、最後まで走り切る。そこが決定的に違うところです」と語った上で、さらにこう指摘する。

「フェーズ単位で分業している場合、“戦略だけを立てる人”は、ずっとそれだけをやっていて、実装技術を持っていない人がほとんどと言っていい。きれいな絵は描けても、『では具体的にどうITで実現するか』については空想のように語っているにすぎない。その点、我々はあくまで当社全てのコンサルタントが、自分で実際に手を動かしてシステムを作ってきた経験をベースにしているところも異なる点です」

前出の松川氏も、新卒でフューチャーアーキテクトに入社して最初の6年間は複数の地方銀行のコンサルティングを担当。その間に開発をとことんやってきたと自負する。
「戦略を練るのに必要なものはデータであり、そのデータはシステムという仕組みの中から出てきている。であるなら、本当の意味でシステムを深く理解していないと、実現性の高い戦略は生み出せないと思います」と松川氏は強調する。

一方、同社のコンサルタントは業務知識の深さにも定評がある。「クライアント企業の方から、『自分たちよりも会社の業務をよく知っている』と言われることも多いですね。お客様は自分の部署の中で仕事をしているが、我々はデータから横断的に全部署の業務を見ている。だから会社全体の業務についてお客様より詳しいのはある意味、当然ともいえます」(松川氏)

最初から最後までやり切ることが大きなやりがいにつながる

「全体視点・全体最適」「一気通貫」。フューチャーアーキテクトの強みの源泉ともなっているこうした特長は、同社だからこその仕事のやりがいにも直結していると松川氏は語る。
「大きな絵を描きながら、自分たちで実際に仕組みを作っていける。開発から運用、さらには改善まで、システムが生まれてから育っていく過程を最後までやり切ることで、自分たちの描いた絵が正しく実現できたか、作ったシステムでどれだけお客様の経営にインパクトを与えられたのかをはっきりと見ることができます」

そしてもう1つ、松川氏がやりがいとして挙げるのが、顧客企業の経営に近い立場で仕事ができることだ。担当者同士で仕事をするのは、システムの機能を詰めるのにはいいが、どうしても個別最適になりがち。これに対し、フューチャーの場合、常に顧客企業の経営のベクトルを確認しながら、そのベクトルに合わせたものを、業務やシステムに落としていく。
「経営・業務・システムに境界線を設けず、三位一体で考えていける。そして、お客様企業の経営陣と一緒に、その企業の経営の未来を一緒に決めていくプロセスを踏める。そこが最高に面白いですね」と松川氏は充実した表情で語る。

ホールディングス化で目指すものとは?

フューチャーアーキテクトは2016年4月、持株会社制に移行。フューチャーというホールディング会社の下に、中核会社であるフューチャーアーキテクトをはじめとする複数の子会社を置く体制に生まれ変わった。

この体制のもと、現在フューチャーグループが進めているのが「2Way戦略」だ。これまでのITコンサルティングが1つのWayとすると、もう1つのWayは、そこで培ったノウハウを元に、自分たちでビジネスをやっていこうとするものである。

例えば、ホールディング傘下の子会社に東京カレンダーがある。もともとは同名の雑誌を発行する会社だが、現在、雑誌媒体の売上は軒並み右肩下がり。とはいえ、内容のあるしっかりしたコンテンツは揃っている。

ではどうしたらそのコンテンツをより多くの消費者の目に触れてもらうようにできるか? と検討した結果、Webでのキュレーションメディア化を推進することに。現在では月間2000万PVを稼ぐまでに成長している。「東京カレンダー」はもともとレストランを紹介する雑誌だった。しかし、単にレストランを紹介するだけでなく、そのレストランを使ったシチュエーションを短編小説の形にするなどして売り込んだのが、キュレーションメディアとして成功した要因だ。

「これについても我々が流通小売業界のコンサルティングをする中で『モノ売りからコト売りへ』というノウハウを蓄積しており、ではそれを実際にビジネスで表現できるか、まさに2Way戦略の実験場としてやってみた結果です」と松川氏は説明。もちろん、月間2000万PVを支えるコンテンツマネジメントシステム(CMS)は、フューチャーアーキテクトの技術によって実現されている。

ホールディングス化は、フューチャーアーキテクトで働くコンサルタントのキャリアパスにもポジティブな影響をもたらす。ホールディング傘下のグループ会社には、ITをベースにした事業会社が複数ある。同社でコンサルタントとして実績をあげた人材が、それらの会社のCEOやCTOなど経営陣の一人として抜擢され、自ら経営に携われるチャンスも開かれたのだ。実際、現在、東京カレンダーの社長を務めるのも、フューチャーアーキテクトのコンサルタント出身の人物だ。

「コンサルタントには、いずれは事業会社の経営企画に参画したいとか、スピンアウトして自分でビジネスを起こしたいという人が多い。当社の場合、それをグループ内で実現できる土壌があるわけです。こういうキャリアパスを描けるコンサルティングファームもまた、他にはないでしょう」と宮原氏。これは大きな魅力だろう。

すぐに答えを訊いてくるようではコンサルタント失格

著しい成長を続けるフューチャーアーキテクトではキャリア人材の採用意欲も旺盛。現在、年間150人規模の大規模採用に動いている。

同社で求められているのはどのような人材か? マインド面で松川氏・宮原氏が口を揃えて第一に挙げるのは、“自分の中にエンジンを持ち、あらゆることに自発的に取り組んでいける人”だ。

「正直、これまで上からの指示待ちでやってきた人は、マインドをゼロリセットするくらいの気持ちで来てもらわないと厳しいですね」と宮原氏。同様に松川氏も、「我々はレールが敷かれているところを走っているわけではない。自分なりの視点や考えを持っている人と議論してベクトルを修正しながら、ゴールに向かっていきたいのです。それなのに、『どうすればいいでしょう?』とすぐ答えを訊いてくるようではコンサルタントとしては厳しい。まずは自分の頭で考えることを強く求めたい」と指摘する。

もう1つ、“人が好きであること”も大事。作るものはシステムという無機的なモノだが、それは顧客と会話をしながら、メンバーとチームプレーで作るものであるからだ。

一方で、IT技術の移り変わりは早いため、最新の技術のトレンドに対する興味関心を持ち続けることが必要。「現状、自分が保有している技術だけでなく、将来必要となる技術にもきちんと目を向けられ、キャッチアップできる人であってほしい」と宮原氏は語る。

フューチャーアーキテクトへの転職を希望する人には、これまでSEとして働いていて、コンサルタントにステップアップしたいという人も多いだろう。そうした人へ、松川氏は次のようなアドバイスを贈る。
「二次請けのSIerなどから当社に来て苦労するのは、『仕様は上から降ってくるもので、そのとおりに作ればいい』と考えているような人。今のうちから、小さくてもいいから自分で考えて上司や顧客に提案する鍛錬をしておくべき。『そういうことをやりたいからフューチャーに来たい』という人もいますが、こちらからすると『ではなぜ今までやっていないの?』となってしまいます」。ぜひ参考にしてほしい。

常に自身の存在価値をアピールすることが必要

キャリア入社した人に対する教育は、1週間ほどの導入研修や、不定期で「TERACOYA」と呼ばれる社内の新技術の共有、標準プロセス・品質管理手法などの勉強会があるほかは、基本的には全てOJTだ。
「よく『コンサルタントになるための研修はないのか?』と訊かれますが、お客様との対峙の仕方などは教えようがない。業務知識についても、これだけ情報がある時代、自分でいくらでも掘り出せるはず」と宮原氏。ちなみに同社では、新卒入社の社員には全員、簿記2級の取得を義務付けている。コンサルタントを目指すからには、少なくとも財務諸表を読めるくらいにはしておいたほうが良さそうだ。

同社では評価も独特だ。年に1度、期末に全社員が1人ひとり、自分の1年の活動と成果についてプレゼンテーションをすることになっている。時間は10分間。上司や同僚・メンバーも集まった中で行われるため、ごまかしは一切効かない。厳しいようだが、逆に自分のやってきたことをきちんと評価してほしい人にとってはまたとない機会だ。キャリア人材の場合は、入社して半年後にこのプレゼンテーションが実施され、そこが1つの越えるべき山となる。

また、昇格や昇給についても、同社の場合、自らこのポジションに就きたい、これくらいの給料が欲しいと希望を出す。あらゆる場面において、自分の存在価値を自らしっかりとアピールすることが求められるわけだ。

フューチャーアーキテクトの社風を、松川氏は“動物園”と表現する。「いろいろな尖った個性を持った人がたくさんいて、各自がそれを活かしながらチームとして仕事をしている」という意味だ。創業から25年以上経つが、ベンチャー的なアグレッシブさもまだまだ旺盛。それは執行役員である松川氏自身が、未だに新規営業に日々飛び回っているという点にも表れている。
「机にじっと座っていても、何も始まらないし、何も解決しないですから」と松川氏は事も無げに笑う。

フューチャーアーキテクトに来る仕事に簡単な仕事は何一つない。どの企業もがお手上げだったプロジェクトが、最後の砦として回ってくることも多い。ただ、同社では、難しければ難しいほどアドレナリンが出て、「とにかくなんとか糸口を見つけて、新しい技術を使ってチームとしてその問題を解決しよう」と考える人が集まっている。これまでもそしてこれからも、同社が必要とするのはそのような“難解好き”の人材だ。

松川氏がフューチャーアーキテクトに入社したのは、創業者である金丸恭文現会長の「ITでイノベーションを起こしたい」という言葉に共感したからだそう。そして、今でもその気持ちは全く変わっていない。
「私は『イノベーションはコラボレーションで生まれる』と思っています。今後はますます、様々な業種業態がオーバーラップしてくるでしょう。そうなると1つの企業だけで成功を目指すのは難しくなる。
 その際、我々は、複数の企業の橋渡しをしながら、その成功を支える仕組みを作ることが求められます。それがまさに“イノベーションはコラボレーション”。こうしたことを、一緒にやっていってくれる方に、ぜひ入社してほしいですね」と松川氏。ビジネスとIT両面でハイレベルな実力を持つ、市場価値の高いコンサルタントを目指す人にとって、これ以上の最適のステージはないといえそうだ。

ライター プロフィール

荒濱 一(あらはま・はじめ)
1971年、東京生まれ。上智大学文学部教育学科卒。高校教諭、タイ・インドでの広告代理店勤務を経て、1998年からライターとして活動を開始する。現在、ビジネス(特に人材・起業)、IT/デジタル機器、著名人インタビューなど幅広い分野で記事を執筆するほか、広告コピー分野でも活躍。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)

リーベルコンサルタントから一言

「経営」と「IT」と「業務」。三位一体の改革を、全コンサルタントが一気通貫で走りきるのがフューチャーアーキテクトの特徴です。同じ企業にいながら、ITコンサルタントに必要な全方的スキルセットを磨く事が出来る、業界の中でも稀な環境だと思います。

最新技術をただ導入するだけでなく、顧客の経営にとって一番インパクトを与えられるようにテクノロジーを使い果たす。これまでも「ITの力で経営革新」を各社で実現させ、日本企業の競争力をけん引してきました。

ITコンサルタントとして「やりたい事がどん欲にある人」ほど、フューチャーアーキテクトはマッチすると思います。

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