注目企業インタビュー

リーベルが探る、注目企業の強みと求める人材像。採用現場の生の声をお届けします。

SAPジャパン株式会社

ERPパッケージNo.1をひた走るSAP

世界120カ国に4万7800社、1200万人に及ぶユーザーを有する、エンタープライズ・パッケージ・ソフトウエアの巨人、SAP。日本でもERP分野で圧倒的なシェアNo.1を占め、着実に売り上げを伸ばし続けている。

そんなSAPが、さらなる成長の柱と位置づける分野が、「ビジネスコンサルティング」だ。日本法人であるSAPジャパンにおいても、2006年にビジネスコンサルティングチームを立ち上げて業務を展開。そのいっそうの強化に向け、現在、ビジネスコンサルタントの積極採用に力を入れている。

SAPが行うビジネスコンサルティングとはいかなるものか? また、その中で求められる人材とは? 自身もSAPに転職し、ビジネスコンサルティングチームに加わった、同社フィールド統括本部 ビジネスコンサルティング部 シニアビジネスコンサルタントの野間口隆郎氏に話を聞いた。

SAP自らがビジネスコンサルティングを手掛ける意味とは?

SAPジャパン株式会社 野間口 隆郎

SAPが行うコンサルティングというと、インプリメンテーション、すなわち導入コンサルティングというイメージが強い。その上流となるビジネスコンサルティングは、戦略系などのコンサルティングファームが行うもの、と考えている人も多いのではないか。

そうした中、SAPが自らビジネスコンサルティングを手掛ける理由について、野間口氏は次のように語る。
「これまでお客様企業は、解決すべき課題が明確でなく、『何を解決すればいいのかわからない』というもやもやした思いがあった際、コンサルティングファームに相談されてきました。SAPとしては、その“もやもや”を解消する、すなわち、お客様の課題発見から解決までをサポートすることをやらなければ、お客様の真のパートナーとしては認められないのではないかという思いが強まってきたのです。個別の案件をとれば、これまでもできていないわけではなかったのですが、面としてはやれていなかった。そこを本格的にやっていくために、2006年にビジネスコンサルティングチームを立ち上げました」

とはいえ、コンサルティングファームと同じベネフィットしか顧客企業に提供できないのでは、SAP自身がビジネスコンサルティングを行う必要はない。SAPが提供するビジネスコンサルティングと、戦略系などのコンサルティングファームが行うそれには、どのような違いがあるのか? この点について、野間口氏は「コンサルティングファームにもSAP製品に強いファームがあり、やること自体はそう大きくは変わりません」とした上で、次のように続ける。
「SAPはパッケージソフトウェアを売っている会社です。SAP製品をお客様企業のIT環境に組み込んで、メンテナンスをしながら使っていただき、必要に応じてバージョンアップしてもらわないといけません。となると、必然的にお客様との関係は長期的なものになる。一方で、コンサルティングファームは、プロジェクトベースでのお客様との関係になります」

つまり、SAPの場合、顧客企業とより長期的かつ密接なリレーションシップを築くことから、より顧客企業のことを深く知り、かつタイムリーなコンサルティングができる。ここがコンサルティングファームとの最も大きな違いであり、顧客企業がSAPのビジネスコンサルティングを選択する理由であるというわけだ。

また、SAPのビジネスコンサルティングの強みとして、SAP製品について当然、誰よりも深い知識を持っていることが挙げられる。そのため製品を知り尽くした、真の意味で顧客企業の問題解決に役立つコンサルティングを行うことが可能なわけだ。ただし一方で、だからこそ顧客企業からは、SAP製品にとらわれたコンサルティングを行うのではないかと懸念されてしまうケースもある。ある意味、“両刃の剣”ともいえる。
「実際は、我々は『製品について深い知識を持っている』ことと、『お客様目線で最適な解を出す』ことの2つを軸に、コンサルティングを行っています。決して『まずSAP製品ありき』のコンサルティングではない。中立的な立場で物事を考えるよう、常々心がけています」と野間口氏は強調する。

ビジネスコンサルティングの業務に特化できる点に魅力を感じ転職

SAPジャパン株式会社 野間口 隆郎

野間口氏自身、旧会計事務所系のコンサルティング会社から、2007年にSAPに転職、ビジネスコンサルティングチームに加わった。SAPへの転職の理由について、次のように語る。
「近年のコンサルティングファームの大規模化・総合化の動きから、私が勤務していたコンサルティングファームも急激に規模が拡大、それに伴い、SI色が強くなっていったのです。その結果、上流の仕事もやるにはやるんですが、比率が下がっていった。
私としては、より経営やビジネスといった上流に特化したコンサルティングでキャリアを築いていきたいという思いが強かったのです。そこでSAPのビジネスコンサルティングチームに移ることにしました」

SAPは基本的にはパッケージソフトウエアを販売するテクノロジー系の会社だけに、ビジネスコンサルティングの業務に特化したいからSAPに転職する、というのは奇異な感じがする。その点、野間口氏は以下のように説明する。
「SAPは、機能別に分業制が非常に進んでいる会社です。通常、コンサルティングファームでは、ポジションが上がると営業活動などもしなくてはならなくなりますが、SAPの場合、ビジネスコンサルティングならビジネスコンサルティングに特化できる。だからこそ、統合化が進み、ファーム自体がSIer化しつつある大手コンサルティングファームに比べ、所帯は小さくともビジネスコンサルティングの仕事の量は多くなり、その仕事に集中できるのです」

また、SAPにはテクノロジーに強い人は「それこそ山のようにいる」(野間口氏)。テクノロジーのかなり深い部分にはそれらの人々の力を借りながら、「ITをどう経営に活かすか」を考えることに注力できるわけだ。

コアな能力を伸ばせることがやりがいに。アジアプロジェクトへのアサインの可能性も

このようにビジネスコンサルティングの業務に集中できることは、野間口氏と同様、上流に特化したコンサルティングでキャリアを築いていきたいという人には大きな魅力になるだろう。
「上流コンサルティングの仕事をやりたいと思って戦略系コンサルティングファームに入ったのに、実際は違った、という人も多いのではないでしょうか? SAPの場合、テクノロジーの会社だからこそ上流の仕事に特化できる。自分のコアな部分に集中して能力を伸ばしていけるのは、大きなやりがいにもつながると思いますね」と野間口氏は指摘する。

また、SAPでは2008年より、大幅な組織替えを行っている。これは、マーケットのグローバル化に対応するために、各国の部署が横につながって活動するというもので、全てのコンサルタントはグローバル組織の一員となり、世界3つの地域のいずれかに所属する。これに伴い、日本のビジネスコンサルティングチームも、APJ(アジア太平洋・日本)の一員として、グローバルに活動することとなる。
「将来、アジアプロジェクトにアサインされる可能性も増えています。世界を舞台に活躍したい、という希望を持つ人にもとてもいい環境ではないでしょうか」

何より重視されるのはソフトスキル

SAPジャパンでは、現在、案件の急増に伴い、ビジネスコンサルティングチームのメンバーの拡張を急いでいる。ビジネスコンサルティングチームのメンバーは現在、15名。そのうち8割がキャリア採用の人材。出身も、コンサルティングファームのコンサルタントや事業会社の企画部門など多岐に渡る。ビジネスコンサルティングチーム自体、設立からまだ数年という若い部署だけに、新しく来る仲間とチームワーク良く働き、ビジネスを大きくしていきたいという活気に溢れている。

こうした中、採用にあたって何よりも重視されるのはマインド・人間性などのソフトスキルだ。企業経営者とダイレクトにコミュニケーションをとりながら問題解決を目指さなくてはならないだけに、特に会話力は重視される。また、社内外、役員から現場の人まで様々な人と接するため、柔軟性も欠かせない。そして何より大事なのは、新しいことを貪欲に学びつつ、プロジェクトを何としても実現させようとする情熱・やる気を備えていることだ。

学歴は一切不問。SAP経験もしくはコンサルタント経験があると望ましいが、それらが無くとも事業会社の企画部署などでの経験は優遇される。
「他社でSAPのインプリメンテーションをやっていた人などは、非常に入ってきやすいと思いますね。ビジネスコンサルティングの経験がなくても、そこは入社後に学べますので、不安がらなくても大丈夫です」と野間口氏は言う。

SAPビジネスコンサルティングの人材モデル

個人を尊重し合うカルチャーも魅力

SAPジャパン株式会社 野間口 隆郎

自身もキャリア採用で入社してみて、野間口氏はSAP独自の企業カルチャーにも非常に満足しているという。
「スキルがある人が集まっている会社だけあって、個人を尊重し、お互いをリスペクトする文化があります。お互いが持っている専門性は何か、をコミュニケーションしながら探し合い、それをお互いのプロジェクトの成功に役立てていこうとする。居心地はいいですね」

また、同社ではいかにも外資系企業らしく、社内のカフェで頻繁にパーティーが開かれる。七夕会やボサノバ会などの催しも多く、アットホームな雰囲気だ。こうした企業風土も、SAPで働く魅力のひとつになるだろう。

ERPをはじめとするITツールは、多くの企業で得てして「導入しただけで満足」となりがちだ。これに対し、野間口氏は、「SAP製品はライセンスを購入すれば誰でも使える。しかし、単に導入したからといって、企業がエクセレントになるわけではありません」と強調する。決め手になるのは、あくまで「それをどう使うか」だ。
「だからこそ、企業の戦略をITでどう実現するか、深く考えたい人に、ぜひともいらしてほしいですね」とメッセージを送る野間口氏。この志に共感する人は、ぜひとも挑戦してみてはいかがだろう。

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リーベルコンサルタントから一言

SAPが「ビジネスコンサルティング」、意外に思われた方もいると思います。
ソフトウェアメーカーが純粋な「ビジネスコンサルティング」ができるのだろうか、そう思ってしまった方もいるのではないでしょうか。

結論はソフトウェアメーカーのSAPだからこそできる、「ビジネスコンサルティング」があります。
顧客はSAPに対してコンサルティングに必要な中立性と、ソフトウェアメーカーならではの実現可能性を期待しています。

中立性の一つとしては、各コンサルタントのミッションにSAPのライセンスを拡販するという項目はありません。
実現可能性では、SAPにはテクニカル担当のスペシャリストが大勢います。テクニカル部分を心配する事なく、ビジネスに集中してコンサルティングができる最高の環境が用意されています。

SAPは顧客へソフトウェアを提供するという永続的な関係性を維持するためにも、顧客期待に応える「ビジネスコンサルティング」を提供していく必要があるのです。

ご興味を持った方は是非、リーベルのコンサルタントにご相談ください。

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